一見、手を出しにくいと思われがちな金融商品が海外投資です。しかし、低金利の金融情勢が続く日本では国内商品に魅力が感じられないため、海外投資はとても人気があります。金融商品は海外にも無数に存在します。なかには高利回りの商品も多く、また、国内の銀行や証券会社などを通じて購入できる商品も多数あることから手軽に始めることが可能です。ここでは、海外投資のメリットとデメリットについて考えてみましょう。

1.海外投資を始める前にメリットとデメリットを理解しよう

定期預金の金利や国債の利回りを考えると、「国内の金融商品に魅力を感じない」という方はたくさんいます。海外投資を始めてみたいと考えてはいるが、リスクに関する情報も少なく購入方法もわからないという理由でなかなか手が出せないと思っている方も多いかもしれません。魅力のある高利回りの商品もありますが、メリットばかりに目を向けるのには注意が必要です。海外投資を始めるには、そのメリットとデメリットの両面について正しく理解することが、第一歩となります。

2.海外投資で知っておきたい基礎知識

海外投資の種類は、海外投資信託だけではなく海外不動産や個別の海外株式、海外債券などさまざまです。海外投資にはメリットがたくさんあり、賢く投資をすれば有効な資産運用の手段となりますが、デメリットもあるため注意が必要になります。そこで、海外投資の基本的な知識を理解し、海外投資を行う前に知っておきたいメリットとデメリットを中心にみていきましょう。

そもそも海外投資とは

海外投資とは、主に工場や現地企業の買収などの直接投資、経営参加を目的としない有価証券の取得などの間接投資に分かれます。資産運用の手段では、間接投資が中心となるでしょう。

海外投資には、日本にはない魅力的な金融商品がたくさんあります。しかし、購入方法がわからないという方に安心なのは、国内の銀行や証券会社を通じて海外の金融商品を購入する方法です。日本では規制も厳しく一部の商品しか購入できません。そのため、海外の銀行や証券会社などを通じて購入する方法もあります。しかし、国内の銀行や証券会社を通じて購入するほうが、初めての方には手軽に始めることができるでしょう。

海外投資のメリット

海外投資の主なメリットとして下記の4つがあげられます。

・手数料が安い

日本の金融機関を通じて購入する場合には、海外の投資会社や証券会社の手数料だけではなく日本の投資会社や証券会社などの手数料がかかります。したがって、海外へ直接投資した場合には、手数料が安くなることがあります。

・税金が安い

海外では投資収益に税金がかからない国や日本より税率が低い国がたくさんあります。

・高利回りの商品が多い

日本の金融商品と比べ、高利回りの商品がたくさんあります。特に新興国などは経済成長が著しく、GDPの成長率とともに利回りも高い傾向です。

・資産分散の効果

同じ国や同じ通貨だけに投資するとリスクが高くなりがちです。海外投資によって海外通貨を保有することは、リスク分散の効果が期待できます。

海外投資のデメリット

元本確保型の海外ファンドのような商品の場合には、満期期間が長くなることが多い傾向です。解約手数料を支払うことで解約することはできますが、長期間資金を拘束されることを考えるとデメリットといえるでしょう。そのほかにも、デメリットとして主に下記の2つがあげられます。場合によっては、元本割れが生じることもあり注意が必要です。

・為替リスク

海外投資には為替リスクがつきものです。円安が進み為替差益によるメリットとなることもありますが、収益以上の為替差損により元本割れが生じることもあります。

・カントリーリスク

政治不安や経済情勢の変化、戦争などによっても株や債券価格が暴落することが考えられます。投資している国の情勢をしっかり把握することも大切です。