資産運用にはリスクはつきものです。しかし、投資のリスクが理解できれば怖いものではありません。資産運用におけるリスクとは「不確実なこと」「値動きの振れ幅」として使われます。リスクとリターンは表裏一体のものですが、長期投資にはリスクを小さくする効果があります。金融商品と上手につきあうためにも、リスクについて正しく理解しましょう。
1. 資産運用には、長期投資が重要
投資には、短期間で売買を繰り返す方法と長期間にわたって金融商品を保有し続ける長期投資の方法があります。短期投資は、買い時だけではなく売り時のタイミングも重要です。そのため、運用に成功しなければ思うような利益を上げることはできず、難しいといわれることがあります。一方、長期投資は、投資期間が長くなるにしたがい投資の振れ幅が平均化され、収益率が安定していく傾向です。長期投資について正しく理解するために、長期投資の基礎知識と注意点についてみていきましょう。
2. 意外と知らない長期投資の基礎知識と注意点
資産運用におけるリスク軽減手法として「資産分散」「時間分散」「長期投資」があげられます。同じ種類の資産に投資をするとリスクが高くなるため、「資産分散」は有効です。また、ドルコスト平均法によるメリットが得られる「時間分散」もよく知られています。しかし、「長期投資」は意外と知られていません。「長期投資」も有効な資産運用の手法です。その基礎知識や注意点を確認していきましょう。
時間をかけて資産を育てる長期投資
長期投資とは、時間をかけて少しずつ資産を育てていくことができる投資手法です。一般的に、リスクとはプラスもマイナスも含む利益の振れ幅をいいます。しかし、金融商品を長期間持ち続けることによって、その振れ幅がしだいに平均化され収益率は安定していく傾向にあるのです。
また、長期間保有することによって、短期投資では期待できない利息や配当による複利効果も加わることになります。利息が利息を生むことで、資産が少しずつ育っていくことは長期投資ならではの魅力です。
長期投資の代表格、投資信託と積立投資
長期投資を代表するものに投資信託と積立投資があげられます。投資信託では、運用の専門家が株式や債券など複数の銘柄あるいは資産に分散投資をするため、「資産分散」によりリスク軽減を図ることができるでしょう。長期保有により「資産分散」と「長期投資」によるリスク軽減効果が期待できます。
積立投資とは、価格が変動する商品を毎月一定額で継続的に購入する投資手法であり、ドルコスト平均法による「時間分散」と「長期投資」を兼ね備えています。最長20年間、分配金や譲渡益が非課税で運用できる「つみたてNISA」を利用して投資信託を購入すれば、3つのリスク軽減効果を非課税で実行でき、なお効果的といえるでしょう。
長期投資の注意点
長期投資には、注意点もあります。長期投資により収益率が安定することは述べました。しかし、それは裏を返せば、ローリスクローリターンを意味することになります。リスクはプラスとマイナスを含む利益の振れ幅を意味しますので、軽減するということは、ローリスクローリターンが基本的な考え方なのです。
また、長い期間には何があるかわかりません。「不確実なこと(=リスク)」が発生する可能性が高くなります。特定の株式に限定して投資をしてしまうと、株式を保有している企業が倒産することも考えられ、大きな損失が発生する可能性があります。リスク軽減の手法を上手に組み合わせ、賢く投資を行いたいものです。