将来の子どもの学費や家族のため、または住宅購入のために資産運用をして資金を増やしたいと考え始めた人のなかには、どんな投資をするべきか悩んでいる方もいるでしょう。

投資は安定したものから、リスクがありながらも大きな利益が得られるもの、短期間で利益を見込めるものなどさまざまなタイプがあります。

いずれにしても、投資に関しての特徴を知っておくことが大切ですので、多くの投資方法についてのメリットやデメリットなどをご紹介します。

はじめての投資商品の選び方

はじめて投資をするにあたって注意しておくべきなのは、いきなり無理な投資をしないことです。コツコツと毎月少しずつ投資をしていき、投資で利益を得るという感覚をつかんでから徐々に投資額を増やし、利益を増やしていきましょう。

リスクを抑えるためのポイントとして、長期に分散した投資をおこない、また積み立てていくことが重要です。これを押さえていれば大きな損を発生させてしまうケースは少ないでしょう。

まずは少額スタートできるものから

投資をはじめる場合、まずは少額から開始するのがおすすめです。数千円などの少額からはじめることで生活にも影響が少なく、投資するということ自体の感覚をつかんで慣れることができます。投資して資金を増やすことに慣れてきてから、一定間隔で投資額を増やすようにしましょう。

投資をはじめるにあたってのポイントは、長期・積立・分散で投資をすることです。長期的な投資では世界や日本経済の成長に合わせて、積立では見極めが難しいタイミングを気にすることなく、分散では損害が発生したときのリスクを抑えながら投資することができます。

定期預金のメリット・デメリット

定期預金とは通常の預金とは異なり、一定期間引き出すことができない変わりに、利息が多くなる預金のことです。元本といって最初に預けた金額は保証されており、一般的には預金期間が長くなると利息がどのようにつくかが重要で、利息金額も高くなる傾向があります。

定期預金の口座は通常の預金とは異なるので生活費とは別に分けて管理しやすいことから、通常の預金は普段の生活費用、定期預金は将来のための預金として、それぞれ別の預金と考えて利用ができる預金方法です。

定期預金のメリット

定期預金のメリットは通常使用している口座とは別に預金できることと、利息が高いという部分です。また預ける期間も自分で選ぶことができ、数ヶ月単位や年単位など銀行によってさまざまで、自分で具体的に指定することのできるケースもあります。

定期預金のデメリット

定期預金にはデメリットもあり、そこまで大きな利益になるとは限らないことです。銀行によって利息が異なるので、預けてからもっとよい条件の利息の銀行が見つかったりすることがあります。

また、預け始めたときの金利が適用されますが、場合によっては同じ銀行でも、もっとよい金利になることもあります。

定期預金に向いている人

定期預金はついつい通帳のお金に手をつけてしまって、なかなかお金が貯まらないという方におすすめです。通常の口座とは別になり、かつ通常の預金よりも利息がもらえるので、住宅の購入資金や子どもの学費のために用意するのに向いているといえます。

外貨預金のメリット・デメリット

定期預金は日本円で貯金するものですが、外国のお金で日本の銀行に預金をすることもできます。

日本と外国のお金の価値は日々変動しており、この差のことを為替のレートと呼びます。円高や円安など為替レートの変動に左右されるのが、外貨預金の大きな特徴です。

日本円での預金に比べて、外貨預金は金利が高い傾向にありますが、日々為替は変動してしまうので円安や円高などの動きに注意をしなければいけません。

外貨預金のメリット

外貨預金はうまいタイミングで預けることができた場合には、通常の定期預金よりも多く利息を得ることが可能になります。これが外貨預金のメリットで、レートの動きを読むのが得意な方であれば、より資産を増やすことができる預金方法です。

外貨預金のデメリット

レートが変動することはデメリットでもあります。預けたときから円安になってしまうと、結果として預けたお金が減ってしまうケースもでてくるのです。定期預金は預けた分の金額は保証されますが、外貨預金では増やすつもりが減ってしまうことにもなりかねません。

外貨預金に向いている人

外貨預金が向いているのは、レートの動きを読める人です。ただ、レートを読むのが苦手でも、長期的に毎月少額ずつ預金できる方も向いています。毎月少しずつであれば損失のリスクも少なく済み、預ける際の単価も少なくなります。

株式投資のメリット・デメリット

株式会社が発行する株は日々価格が変動しています。これを購入し、その持っている株の価格が上がったときに売ることで利益を得られるのが株式投資です。しかし、逆に買ったときから価格が下がってしまうと損になることもあるので、注意をしなければいけません。

また、株を持っている人はその企業の株主となりますが、購入と売却の差額の他にも株主に対しての配当金という金額をもらえたり、株主に対してのサービスである株主優待という特典を利用することもできます。

株式投資のメリット

株式投資のメリットとしては、うまく株価が上昇する前に購入することができれば、預金の利息などよりも利益が大きくなること、そして株主の優待サービスが受けられることです。また、株を持っている量によっては、株式会社の方針を決める株主総会に参加する権利をもらえることもあります。

株式投資のデメリット

株式投資は株の購入時の元本は保証されないため、購入時から株価が下がってしまうと損をしてしまうことになります。価値が下がるだけならまだ多少なりとも資金を戻すこともできますが、万が一、株を持っている会社がつぶれてしまうと完全に価値がなくなってしまいます。

株式投資に向いている人

株式投資が向いているのは株価の変動を読むことができる人の他、どのくらいまでの損であれば許容できるのかなど、自分である程度投資額のセーブや調整ができる人となります。多少の損がでても問題がない人がおこなうべき投資方法です。

個人向け国債のメリット・デメリット

国債とは国の財政で不足している金額を国民の投資によりまかなうものです。一定の期間が経過したら金利をもらうことができ、1年経過すると預けた元金よりも増えることになり、リスクがなくなります。

また、国の金利は最低金利が0.05%となっており、あまり高いと思わない方もいるかもしれませんが、それ以上下がることはないため、銀行の利息がこの最低金利に近くなれば安定した投資になるといえます。

個人向け国債のメリット

最大のメリットは長期的であれば安定している投資といえることです。国の財政が危なくなったときには保証されないのではと考える方もいますが、そのような状況であれば銀行が先につぶれてしまうことが考えられます。そう考えると銀行よりも安定しているのです。

個人向け国債のデメリット

デメリットとしては、1年以上経過してから戻さないと、もともと預けた金額から損をしてしまうというところにあります。そのため数ヶ月単位での投資を考えている方には向いていません。また購入場所が金融機関となりますが、購入時に他の投資方法をすすめられることもあります。

個人向け国債に向いている人

個人向け国債の投資に向いているのは、長期的な投資ができる、かつ安定した投資を求めている人になります。また銀行の預金の保証は1,000万円までになっているので、1,000万円以上の投資を考えている方には安定感が銀行の預金よりも高い投資です。

投資信託のメリット・デメリット

投資信託は投資をプロに任せる方法で、はじめられる金額も少なくなっています。一般的にいう投資信託は上場していない証券会社や銀行などの金融機関となっており、上場している証券会社に任せるのは上場投資信託といい、ETFと呼ばれます。

プロがおこなうため、個人では難しい一般的に扱っていない海外の株式などにも投資することが可能です。また少ない金額からはじめられるのも特徴です。

投資信託のメリット

投資信託やETFは投資をおこなう人自身が判断するわけではないので、投資の手続きだけではなく投資のタイミングなども考えてくれます。そのためずっと株価の変動を気にする必要もありません。また個人の株式投資に比べて小さいお金ではじめられるのもメリットです。

投資信託のデメリット

リスクが低い投資方法ではありますが、その分費用がかかることがデメリットとしてあげられます。販売時の手数料や、運用をしてくれる会社への報酬が発生してしまいますし、また、プロだからといって購入したときより価値が下がらないというわけではないので損が発生することもあります。

投資信託に向いている人

預金などの安定している投資方法よりも利益をだしたいけれど、できるだけリスクは減らしたい、または、まったくレートの動きに関しての知識がないという人に向いています。個人では投資できない株などに投資を考えている人にもメリットがあります。

不動産投資のメリット・デメリット

不動産投資はアパートやマンションを購入し、いわゆる物件のオーナーとなり、その家賃収入で利益を得る方法です。実際に物件を持つことになるので、その一室に住む、税金の控除を受けるといったことができますが、空き室が多くなると収入を得られない場合もあります。

また、自分で物件を購入するのではなく、不動産投資をおこなっている会社に投資する方法もあります。この間接的な不動産への投資を不動産投資信託といいます。

不動産投資のメリット

不動産に入居者がいれば毎月収入が入ることになり、さらに一般的に入居者は1,2年、その物件に住むので、収入が続くことになります。また、家賃で投資した金額を回収できたら、自分の住まいにすることも可能です。

不動産投資のデメリット

入居者がいれば収入は入るものの、その入居者がいなければ収入にはなりません。そのためにリフォームなどの費用が発生することもあります。また、将来的に売却しようとしても、不動産の老朽化で価値が下がることもあります。

不動産投資に向いている人

将来自分の部屋がほしい人、もしくは、自分の子どもに財産として土地や部屋を残しておきたい人に向いています。また、ローンで不動産を購入するときには、団体の生命保険への加入が義務となっているので、生命保険の加入も考えている方にもおすすめです。

個人型確定拠出年金のメリット・デメリット

通常、年金は国の制度に定められている内容で支払いや受け取りをするものですが、金融機関をとおして個人でおこなう年金もあります。個人型確定拠出年金といい、iDeCoと呼びます。国民年金同様毎月一定額を支払い、60歳以上で受け取りが可能です。

iDeCoの毎月の支払いは税金の控除対象となるので、節税にもつながります。ただ、定期預金などとは異なり、途中で解約して引き出すことはできません。

個人型確定拠出年金のメリット

毎月の支払い金額だけでなく、受け取る際の金額も公的年金として控除の対象になるので、他の投資に比べると税制面でメリットが多いです。また手数料も投資信託などに比べると低くなっています。

個人型確定拠出年金のデメリット

デメリットとしては60歳になるまで引き出すことができず、短期的な投資とはならない部分です。また、投資信託に比べて手数料が低めであるものの、金融機関によって手数料が異なるという点もあります。

個人型確定拠出年金に向いている人

途中での解約や引き出しができないことから、長期的な投資を考えている人がおこなうべき投資といえます。老後の生活費用が国民年金では足りないと考えており、毎月少額の投資をするつもりならピッタリです。

先物取引のメリット・デメリット

通常何かを購入する投資は、当然ながら購入したものがなければ売ることができません。ですが商品先物取引では、価値が下がると読んだときに先に売りからおこなうことも可能な投資方法です。

自分の投資した金額よりも多くの金額を扱うこともできます。短い期間で利益を大きくだせる場合もあるのですが、その逆で投資した金額以上の損が発生するケースもあるので、投資方法によってはハイリスクハイリターンとなります。

先物取引のメリット

商品先物取引のメリットは、資金以上の投資ができるところにあります。また価格変動が大きいものに投資をすれば短期間で利益を生むことができるので、一般的な投資に比べて利益率を大きくすることが可能です。

先物取引のデメリット

デメリットとしては損失が大きくなる可能性があること、そして投資したお金の保証がないことです。予想を外してしまうことで追加の投資をし、さらにその投資分がなくなることもあります。損をしても早い段階で見切りをつけることが大切です。

先物取引に向いている人

いかに損を早めに見極めて少なく抑えることができるかがポイントで、価格の動きを読むことができ、かつ冷静に的確な判断ができる人がするべき投資といえます。少額からはじめることも可能ですが、ある程度資金に余裕があるときにおこなうのが安全です。

FX取引のメリット・デメリット

日本円以外にもさまざまな国の通貨があり、その価格差は日々変動しています。そのため外国の通貨を購入し、その価格が高くなってから売れば利益を得ることができ、これを利用したのがFXです。

また、急激な変動で大きな損を防ぐために設定額以上に価格が落ちた場合、自動的に売却されるロスカットというのシステムがあります。ただしロスカットはもとの投資金額が保証されるものではありません。また必ずいずれかの通貨を購入しなければいけないわけではなく、売りからはじめることも可能です。

FX取引のメリット

FXも先物取引と同様で少ない資金でそれ以上の投資をおこなうことが可能です。さらに、株式投資と異なり、ほぼ24時間近く取引をおこなうことができ、仕事が忙しい方でも夜にゆっくりとトレードすることができます。

FX取引のデメリット

小さな資金で大きな利益を得られるということはその逆も同様で、損をした場合のリスクが高いことがFXのデメリットです。また損をしていると感じたときに、上がるまで待とうとしてもロスカットで自動的に売りにだされてしまうこともあります。

FX取引に向いている人

外貨を扱う投資なので、それぞれの国の通貨の変動に詳しい方向けです。しかし、さまざまな国の通貨を網羅している必要はありません。外貨の動きのアンテナは広いほうがよいですが、いくつかの国にしぼって取引をすることも可能です。

金投資のメリット・デメリット

金投資は金銀銅の金を購入し、価格があがってから販売するという投資方法です。特徴としては、金そのものが需要のあるものなので、価値がまったくなくなることが考えにくいことがあげられます。

また、いずれかの国や会社などに属さない無国籍の投資になります。日本円での金の価値を考えると、2000年から2017年までは右肩あがりとなっており、長期的に安定している投資といえます。ただ利息などがあるわけではなく、価値が上がっているものとはいえ、必ずしも、もとの投資額から損をしないとは限りません。

金投資のメリット

金投資のメリットとしては、長期的に考えると安定している傾向があること、どこかの国が発行しているものではないので、政治や国政状況の影響を受けにくいところにあります。また金の発掘などの製造コストがあることから、価格が下がった場合には発掘が止まり、急激に大きく低下する可能性は低いです。

金投資のデメリット

金は金融期間や業者を通じて購入したり、保管したりしてもらうことが可能ですが、もし自分自身で保管するのであれば、盗難されると投資したお金がすべてなくなってしまうというデメリットがあります。また、長期的におこなっても利息が必ずつくものではありません。

金投資に向いている人

金の投資は長期的に、そして少額から分散して購入するのが安全です。そのため毎月少額の投資で長期的に安定して投資をしたい方に向いています。短期的に大きな利益を求める人向けではありません。

仮想通貨のメリット・デメリット

仮想通貨は実際には存在しないインターネット用の通貨ですが、仮想通貨を使用する人数が増えるほど価格があがります。この売り買いの値幅差で利益を得ることができるので、株やFXの投資にも似ていますが、仮想通貨で決済が可能な実店舗もあり、投資手段にとどまらない部分を持っています。仮想通貨にもさまざまな種類があり、その通貨によって投資に必要な金額も異なっています。

仮想通貨のメリット

メリットとして、うまいタイミングで売り買いすると大きな利益を得ることができます。インターネット上の通貨なので国境を超えて使用することが可能です。また海外に送金しようとする際も両替をする必要がないので現金よりも手数料は少なくて済みます。

仮想通貨のデメリット

デメリットとしては仮想通貨の価格が大きく下がればその分大きな損をすることになり、もともとの投資金額が保証されている方法ではありません。また、2018年6月現在ではまだ法律が完全に整備されているとはいえず、仮想通貨が禁止されている国もあり、万が一禁止国が増えると価格は下がってしまいます。

仮想通貨に向いている人

株式投資やFXのように、それぞれの仮想通貨の価格の動きを見ることができる人が向いています。インターネット上の通貨ではありますが、ネットサービスに詳しければよいわけではなく、どの国で仮想通貨が法整備されているかなど、世界情勢に関する知識もある程度持っておく必要があります。

まとめ

投資方法はさまざまありますが、どの投資方法がどんな人に向いているかというのは異なります。共通しているのは、いきなり高額の投資をするのではなく、どの程度の投資資金を用意できるのか、どの期間で利益がほしいのかなどの計画を立てて、それにそった投資方法をおこなうようにした方がよいということです。