ファンドというと、資産運用会社を指す言葉であったり、投資信託そのものの金融商品を指す言葉であったりと広い意味ではどちらも区別なく使われています。

誰もが「自分に合った資産運用をしたい」と考えることでしょう。自分に合った金融商品選びをするためにも、投資ファンドと投資信託の違いをしっかりと理解しましょう。

ファンドには投資ファンドと投資信託がある

投資ファンドと投資信託、似ているようでこの2つには大きな違いがあります。1つ目は「行政の指導管理の有無」、2つ目が「投資家から集めた資金の分別管理」という点です。投資家としては、万が一に備えて安心して投資をしたいと考えるのが正直なところでしょう。

安心して金融商品を選ぶためにも、投資ファンドと投資信託の違いについて理解し、自分の目的に合った資産運用の参考にしたいものです。それぞれの違いについてみていきましょう。

投資ファンドと投資信託の2つの違い

前述のとおり、投資ファンドと投資信託には行政の指導管理の有無や資金の分別管理に違いがあります。大切なお金が「どのように運用されているのか」「資産運用会社が倒産したら大切なお金はなくなってしまうのか」など、投資家としてはとても気になるところです。2つの違いについて詳しくみることで、投資の目的や経験、保有財産等に合った金融商品選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

そもそもファンドとは?

ファンドとは、本来、基金を集めることを意味します。一般投資家から集めた小口の資金を資産運用会社が独自の投資目的に合ったものに投資し、その運用で得られた利益を投資家に分配する仕組みです。

一般投資家から小口の資金を集めることで、個人では難しい大きな規模の投資ができるようになります。また、プロの運用における専門家(ファンドマネージャー)に資産の運用を任せるという点でも、投資ファンドと投資信託では大きな違いはありません。

行政の指導管理の有無

投資ファンドと投資信託の大きな違いは、「投資信託は行政の厳しい監督を受けた委託業者だけが行える」という点です。投資信託といわれるためには、投資信託および投資法人に関する法律(通称:投資信託法)に従って運用を実行しなければなりません。しかし、投資ファンドと呼ばれる金融商品は、必ずしも行政の指導管理下にはない場合があります。したがって、銀行や証券会社のように大手の金融機関が厳しい監督を受けて投資信託の委託業者になることが多いのです。

資金の分別管理に注意が必要

資金の分別管理とは、資産運用会社において、投資家から集めた資産を資産運用会社の資産と勘定を分けて管理することです。そうすることで、仮に資産運用会社が倒産したとしても投資家の資産は別の勘定でしっかりと管理され、安全が保たれることになります。投資信託では資金の分別管理をすることが義務です。投資ファンドも、投資家の安心を得るために分別管理をすることも多く、一概に投資ファンドは安全性が保たれないというわけではありません。しかし、必ずしも分別管理されているとは限らないので注意が必要です。