自動的にお金が貯められる方法には、給与から天引きされる一般財形貯蓄や財形年金貯蓄などがあります。しかし、勤め先が制度を導入していないと利用できないので、財形貯蓄のない会社に勤める人や自営業などフリーランスは使えません。

そこで候補として考えたいのが積立式定期預金。同じように先取り貯金で、貯金が得意でなくても自動的に貯金が貯まる方法です。メリットやデメリット、活用方法まで確認してみましょう。

お金が貯められる!積立式定期預金とは?

なぜかお金が貯まらない…。そんな不安を抱える人は少なくないと思います。お金に余裕があると思ったら、その分使ってしまいたくなるもの。これでは、お金を貯めようと思っても確実に貯めることはできません。

お金を賢く貯めるには先取り貯蓄を利用するのがおすすめです。先取り貯蓄とは、月末などで余ったお金を貯金にまわすのではなく、給料が入ったらまず貯蓄にまわすというやり方です。そんな先取り貯蓄にぴったりなのが積立式定期預金。特徴や仕組みを紹介します。

積立式定期預金とは?

積立式定期預金とは、毎月決まった日に普通預金から定期預金へ設定した金額を積み立てる金融商品のことです。普通預金口座に積み立てに必要な金額を入れておかなくてはいけませんが、支払い口座を給与支払い口座に設定して給料日近くに引き落とし設定しておくと、給与天引きのように利用することができます。

定期預金と聞くと、どうしてもまとまったお金を入れなくてはというイメージもあるかと思いますが、積立式定期預金は少額からでも始められるのがポイント。さまざまな銀行で扱われている商品です。自動的に普通預金から積み立てられるため、毎月の振り込み作業が必要なくなります。振り込みが面倒で先取り貯蓄をやめてしまった人にもおすすめです。

積立式定期預金の仕組み

取り扱いのある銀行によって内容は変わりますが、積立式定期預金は、口座開設時に引き落としをする普通口座を指定して利用を開始します。基本的には、はじめての積み立てのときに積立期間も金額も指定するのが一般的です。設定した満期日がきたらそのまま受け取ることもできますが、定期預金口座に残額を残したまま積み立てを続けることもできます。さらに、毎月積み立ての一定額にプラスしてボーナス時の加算や好きなときに加算できる積立式定期預金もあります。

また、積立式定期預金は自由度が高く、一部積立額を引き出せたり、普通口座の超過分を積み立てにまわせたりさまざまです。各銀行によって積立式定期預金の内容は変わってくるので、比較してみるとよいですね。

積立式定期預金のメリット

貯金が苦手な人、定期預金に興味はあるもののまとまった額が用意できない人にとって、積立式定期預金は魅力的な商品ですね。しかし、自動的に決まった額を少しずつ貯金できることは長所ではありますが、お金を貯めている実感が欲しい人、リターンを求める人にとっては物足りなさがあります。

それでは実際、積立式定期預金はどんな人に向いているのでしょうか。積立式定期預金のメリットとデメリットを知って、自分に合った金融商品か考えてみましょう。

積立式定期預金のメリット

積立式定期預金のメリットは、自動的にお金を貯金できるようになることです。設定した日にちになったら毎月普通預金から定期預金に振り替えられるので、自分で振り込む手間も省けます。無理なく、確実にお金を貯められるのがまず1番のメリットです。毎月1万円であれば、1年後には貯金12万円以上になります。10万円でも貯めるのが難しいなら、積立式定期預金の利用はおすすめです。

もう1つのメリットは、積立式定期預金は定期預金の側面もあるため、普通預金と比べて金利が高く設定されていること。通常の定期預金は50万円、100万円などまとまったお金で契約しますが、積立式定期預金はそこまで資金を用意する必要がありません。普通預金の手軽さに、定期預金の金利メリットもあり、初めてでも扱いやすい金融商品です。

積立式定期預金のデメリット

デメリットは、預金以外の金融商品と比べて金利が高くないことです。普通預金の金利と比較するとお得感がありますが、投資信託や株式投資などより積極的な資産運用と比べるとリターンは見劣りしてしまいます。ただし、銀行の倒産やハイパーインフレなどが起きない限り元本割れのリスクは低いので、ローリスク・ローリターンで運用したいなら活用できる金融商品でしょう。

もう1つは定期預金という商品柄、普通預金のように頻繁にお金を引き出せないことです。通常の定期預金のように大きなお金を動かすわけではないためコントロールはしやすいですが、いざお金が必要になったとき、解約など手続きの面倒さがあります。さらに解約は銀行の営業日に左右されるため、土日祝日急にお金が必要になったとき積立式定期預金から崩すことができません。

積立式定期預金の活用方法

積立式定期預金を利用したいと考えるなら、うまく活用しない手はありません。デメリットもありますが、自動的に積み立てできること、柔軟に積立額が決められることを考えると、これまでさまざまな金融商品に手を出してきた人も、積立式定期預金であればしっかり貯金できるかもしれませんね。

積立式定期預金のメリットを生かして少額から積み立てできるのか、ボーナス月はどのように活用するべきか、積立定期預金がもっと魅力的に感じる活用法2つを紹介します。

積み立てできる金額は?少額でもできる?

積立式定期預金の積立金額は銀行によって違います。1,000円や5,000円からとしているところもあれば、1円から利用できるものまでさまざまです。一般的には1,000円から可能なケースがよくみられます。毎月1,000円でも1年も経てば12,000円です。少額からスタートできる気軽さが積立定期預金のポイントですね。

また、積立式定期預金は少額から積み立てられることを利用して、旅行代など何か目的のために利用するのにも向いています。60,000円用意するとなると人によっては少し荷が重く感じるかもしれませんが、1年間で60,000円なら毎月5,000円ずつ積み立てていけば目標を達成できます。少額からの積み立てでストレスが少なく、達成感も得られる点は積立式定期預金の魅力ではないでしょうか。月々の積立金の目標に合わせて、最低積立額はいくらか比較してみましょう。

ボーナスで積み立てたい金額の目安は?

積立式定期預金によっては、ボーナスは別で積み立てられるものもあります。せっかくボーナスでまとまった収入が得られるので、好きなことばかりに使うのではなく貯蓄も考えてみましょう。ボーナスの一部を貯蓄にまわせば、目標達成も近づきます。

ボーナスを積み立てる場合、目安にしたいのがボーナスの半分です。ボーナス20万円であれば10万円、50万円であれば25万円を貯蓄にしたいところ。すべて貯蓄にするとストレスになってしまうので、半分は旅行や自己投資など好きに使うのがおすすめです。

ちなみに、貯蓄にまわす分はすべて積立式定期預金にするのもよいですし、少しだけ投資信託などハイリターン商品にまわしてみるのも方法の1つです。

まとめ

世の中にはさまざまな金融商品がありますが、なかなか貯金ができないなら、まず積立定期預金から始めることをおすすめします。初めて利用する場合手続きが必要ですが、一度口座を作ってしまえば、後は自動的にお金を貯められるので楽です。また少額から積み立てできるので、ストレスフリーで始めることができます。積立定期預金にも、積立金の下限が低いところ、積み立てた額のうち一部を引き出せるところなどいろいろなタイプがあるので、まずは比較してみましょう。