銀行のローンは金利の低さや安心感などから、利用を検討している人も多いかもしれませんね。しかし、「実は銀行のローンについてよくわかっていない……」なんてことはないですか?賢くローンを利用するためには、ローンの仕組みを理解しておくことが大切です。この記事を読んで、ローンについてしっかり学んでおきましょう。
銀行のローンの仕組み
銀行でお金を借りるといっても、ローンの種類はひとつだけではありません。商品によって、できることや金利に違いがあるので、利便性や返済額などが変わってきます。
ここでは、ローンを利用する前に知っておきたい、銀行ローンの種類や金利について解説していきます。
■銀行のローンとは?
銀行が提供するローンには、住宅ローンや自動車ローンなどの使いみちが限定されている「目的別ローン」、使いみちを問わない「フリーローン」、限度額までであれば何度でも借り入れができる「カードローン」があります。各ローンの特徴は下の表の通りです。
なぜ目的別ローンの金利が低めなのかというと、目的があってお金を借りる方が確実に返済してくれる場合が多いからです。銀行にとって貸し倒れのリスクが低い商品は、低金利にできるということですね。
■銀行のローンにかかる金利とは?
金利とは、借入額(元金)に対して支払う利息の割合のことです。銀行では基本的に、お金を1年間借りた場合の「年率」で表示しています。
ローンの金利は法律によって上限が決められていますが、その範囲内であれば金利をいくつに設定するかは自由です。そのため、金融機関や消費者金融によって金利が異なります。
金利は借入額に応じて段階的に設定されていることが多く、「3%~15%」のように表示されています。一般的に借入額が大きいほど金利は低くなりますが、最初は「借入限度額が低い=上限金利が適用」となることが多いので、上限金利が低いものを選ぶようにしましょう。実際にどれくらいの金利が適用されるかは、審査によって決まります。
銀行ローンで発生する金利の計算方法
ローンを比較するときに重要になるのが金利と利息です。ですが、金利の数値をチェックするだけでは十分とはいえません。返済方法や金利タイプによっても返済額に違いがでてくるので、返済方法別の金利の計算方法や、固定金利と変動金利の違いについても知っておきましょう。
■ローンの金利の計算方法
まずは、ローンの返済方法としてポピュラーな「元利均等返済」と「元金均等返済」の計算方法を説明します。
【元利均等返済】
毎月の返済額(元金+利息)を一定にして返済する方法
<毎月の返済額>
借入額×{月利×(1+月利)返済回数/(1+月利)返済回数-1}
<利息>
借入額(※)×金利×借入期間
<元金充当分>
毎月の返済額-利息
<残高>
借入額(※)-元金充当分
※2回目以降は前回返済後の残高
【元金均等返済】
元金の額は一定で、そこに利息をプラスした金額を返済する方法
<毎月の返済元金>
借入額÷返済回数
<利息>
借入額(※)×金利×借入期間
<毎月の返済額>
毎月の返済元金+利息
<残高>
借入額(※)-毎月の返済元金
※2回目以降は前回返済後の残高
減っていく残高をもとに利息を算出していくので、毎月支払う利息額も少しずつ減っていきます。利息の総額は、残高の減りが早い元金均等返済の方が少なくなります。
利息の総額を算出するには、返済回数分計算を繰り返さなければいけないので、実際に計算するならシミュレーションツールがおすすめです(各銀行の公式サイトに設けられています)。簡単にローンの計算ができるので、ぜひ利用してみてくださいね。
■固定金利と変動金利による違いは?
つぎは、固定金利と変動金利の特徴を確認していきましょう。ローンによっては金利のタイプを選択できる場合があるので、メリット・デメリットを理解しておくことが大切です。
固定金利は金利が変わらないタイプです。将来の金利上昇に備えて返済額を確定できるのがメリットですが、低金利が続く場合は変動金利より返済額が多くなります。
一方、変動金利は経済情勢に影響を受けて、定期的に金利が見直されるタイプです。低金利の場合は借り手に有利ですが、金利が上がると利息の負担が大きくなります。
変動金利の方が金利は低く設定されていますが、いつまでその低金利が続くかはわかりません。変動金利を選ぶなら、将来金利が上がった場合の対応策をしっかり考えておく必要があります。
まとめ
銀行のローンには種類があり、それぞれ特徴や金利水準が違うことをお伝えしました。目的によって適したローンは変わってくるので、ローンを選ぶときには、まずは「自分が何を優先したいか」を明確にするといいですね。
また、金利の数値だけでなく、返済方法や金利タイプでの比較も重要です。金利や返済方法が違うと利息にどれくらいの差がでるのか、条件を変えて計算(シミュレーション)してみましょう。
いろいろな面から慎重に比較をして、自分にピッタリのローンを選んでくださいね。