低金利のため、預貯金だけではなかなか貯蓄が増えない時代です。そろそろ投資を始めてみようかと考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、今まで投資の経験がない人は、何から始めていいのかも分からないかもしれません。今回は、投資をまったく知らない人のために、初心者にも分かりやすい投資方法や、注意点について解説します。

投資って初心者でもできるの?

初心者の方は「どのような金融商品があるのか」を把握するところから始めましょう。

有名な金融商品には「株式」があります。投資が成功すれば大きな利益を得られる可能性があることが大きな魅力です。しかし、投資できる金額の範囲で銘柄を決めたり、売買するタイミングをチェックしたりするなど、投資初心者にとってはさまざまなハードルがあります。

その点、いくつもの金融商品や銘柄が組み合わされた「投資信託」は自分で銘柄を選定する手間が省けるためおすすめです。タイミングが難しい売買も投資のプロであるファンドマネージャーに一任できます。ただし、投資信託も株式同様に元本が保証はされていませんので覚えておきましょう。

初心者におすすめの3つの投資

自分がどのような商品に投資をしたいかを考えたら、お得に投資できる方法も探していきましょう。初心者にも一押しの投資方法は「NISA」「iDeCo」「投信積立」の3つが挙げられます。

節税の面から探すのならば「NISA」「iDeCo」、長期的な貯蓄目当てで探すのであれば「iDeCo」「投信積立」の利用がおすすめです。では、それぞれの投資方法について詳しく解説します。

NISAとは小額投資非課税制度のこと

NISAは最長5年間、株式や投資信託の譲渡益、配当金や分配金が非課税になるという制度のことです。ただし、非課税投資枠は新規投資額で毎年120万円までという条件があります。5年間では最大600万円までです。さらに、NISAの利用は1人1口座のみとなっています。(金融機関の変更は1年単位でならば可能)

0~19歳の子どもがいる人ならば「ジュニアNISA」の利用も可能です。ジュニアNISAの非課税期間は5年間、非課税投資枠は毎年80万円です。運用は口座開設者(子ども)本人、両親・祖父母などの2親等以内の親族が行うことができます。

ジュニアNISAには18歳までの払い出し制限があるため、短期で売買したり、途中で出金したりを検討している場合は注意が必要です。

さらに、NISAとジュニアNISAのどちらも「損益通算」ができないため注意しましょう。たとえば、特定口座の商品Aで50万円の売却益、NISA口座の商品Bで60万円の売却損が出たとします。特定口座同士、一般口座同士の取引の場合は通算で10万円の損失になりますので課税されません。しかし、上記のような特定口座とNISA口座での取引になると、損益通算ができないため50万円の利益分には課税されてしまうのです。

iDeCoを活用して、自分で年金を作る

老後のために今から投資を始めて、じっくりと資産を育てたいという人は「iDeCo」を検討してみましょう。iDeCoは20~60歳未満の人が加入できる個人型確定拠出年金です。「元本確保型」「元本変動型」などの商品の中から選んで投資しますが、元本変動型は利益を追求できる反面、損失を出す可能性もあります。また、元本確保型は元本割れリスクがない反面、利益もさほど期待できないというデメリットがあります。

iDeCoのいちばんのメリットは節税効果です。掛け金はすべて所得控除の対象になり、再投資される運用益は非課税です。60歳以降の受取時も公的年金等控除や退職所得控除があります。

注意点は、運用途中で解約や出金ができない点です。もし、運用中にお金が必要になってもiDeCoからは出金ができません。近い将来に使う予定があるお金の運用は避けましょう。

少額で投資したいなら、投信積立

少額からコツコツと投資をしたい人には「投信積立」がおすすめです。毎月決まった金額を投資信託に投資します。値動きが分からないので「投資を始めるタイミングがつかめない」「毎月の貯蓄の代わりに投資をしたい」という人にはピッタリです。

また、少額から投資ができるため、同時にいろいろな種類の投資信託を買うことも可能です。リスクの分散にもなるでしょう。

気を付けないといけないのは、価格の下落です。投資信託の基準価額が下がると、保有資産も元本を割り損失を出すことも覚悟しておかないといけません。

投資をする前に知っておきたい注意点

まずは、「自分の長期投資にするか」「短期投資にするか」など自分の投資スタイルを決めるところから始めましょう。そのうえで、「どのくらいのリスクを取ることができるか」も考えることが賢明です。NISAやiDeCo、投信積立など投資のための制度もうまく活用していくと初心者でも上手に運用ができるでしょう。

投資は、売買タイミングや景気の波にうまく乗れば利益を得ることができます。しかし、自分の予想が外れたり、景気が悪化したりすると元本割れする可能性があるということも認識しておきましょう。まずは、自分の無理のない範囲から投資を始めてみてください。