毎月支払う公共料金や通信費は、口座引き落としにしていることも多いのではないでしょうか。毎月決まった日に、自動的に支払いを行ってくれるのでとても便利ですよね。
この記事では、そんな身近な口座引き落としの仕組みやメリット、注意点を説明していきます。口座引き落としを検討しているという方は参考にしてみてくださいね。
口座引き落としとは?
世代を問わず多くの方が利用していて、決済方法として馴染みのある口座引き落とし。自然と口座引き落としを選んでいる方もいると思いますが、どのようなサービスか理解していますか?まずは、口座引き落としの基本的なことから確認していきましょう。
■口座引き落としとは?
口座引き落としは、口座振替や口座自動振替とも呼ばれています。料金を指定口座から自動的に引き落としする決済サービスですが、どのような種類の支払いに利用できるのでしょうか。
【口座振替が利用できる支払いの例】
・公共料金
・携帯の料金
・プロバイダ利用料
・生命保険料
・損害保険料
・クレジットサービス利用料
・新聞購読料
・動画視聴料
・オンラインゲーム利用料
・塾の授業料
・習い事の月謝
・NHK受信料
・iDeCoの掛金
・家賃
・通販の代金
など
口座引き落としを利用するには、請求会社が金融機関や提携の収納代行業者と契約して、口座引き落としサービスを導入していることが前提です。どの会社の支払いでも利用できるわけではないのはこのためです。
口座引き落としを導入している会社には、自社で集金業務を行っているところと、収納代行業者に業務を委託しているところがあります。そのため、通帳や入出金明細への表示が請求会社名ではなく、代行業者名になる場合があります。請求会社に事前に確認を取っておくと、「知らない会社から引き落としがあった!」と慌てずに済みますよ。
■口座引き落としの仕組みは?
まずは、口座引き落としをしたい支払いについて、所定の手続きをする必要があります。書類を提出する方法やインターネット上で情報を登録する方法など、会社によって手続き方法は異なるので、請求会社に確認を取りましょう。
【書面での手続き方法】
指定の口座振替依頼書に、必要事項を記入・届出印を押印し、請求会社へ郵送します。公共料金や税金であれば、金融機関に備えつけの口座振替依頼書を窓口に提出することで手続きをすることも可能です。
【インターネットでの手続き方法】
請求会社のサイトに訪問し、専用フォームに必要事項を入力することで手続きが完了します。
請求会社が口座引き落としの依頼を受け付けると、金融機関に引き落とし口座の登録を依頼します。書面の手続きでは1~2か月後から、インターネットの手続きでは当月~翌月には引き落としが開始されるのが一般的です。
毎月、引き落とし処理が実行されたあとには、金融機関は請求会社に引き落とし結果の通知と収納代金の入金をします。
口座引き落としの停止も可能ですが、金融機関によっては窓口でしか受け付けていない場合があります。また、金融機関によって手続きにかかる期間は異なるので、余裕を持って手続きをすることをおすすめします。店舗に来店する際は、(1)通帳やキャッシュカード(口座番号が分かるもの)、(2)届出印、(3)本人確認書類、(4)請求会社名・料金の種類・支払額が分かるものを持参しましょう。請求会社で支払い方法の変更手続きをすることも忘れないでくださいね。
口座引き落としを利用するメリット
払込票払い、クレジットカード払い、振込など、毎月支払う料金の決済方法はほかにもありますが、口座引き落としにするとどんなメリットがあるのでしょうか。それぞれの決済方法と比較をしながら、メリットをあげていきたいと思います。
■支払い忘れや間違いがない
口座引き落としは、一度手続きを済ませてしまえば毎月自動的に料金を引き落としてくれるのが大きな特徴です。払込票払いだと、払込票をなくした、支払いを忘れたまま支払期日を過ぎてしまったなどの問題が起きる可能性があります。支払期日を過ぎてしまうと、サービスの利用ができなくなったり、延滞金が発生したりするリスクがあるので注意が必要です。
振込の場合には、振込先の情報を正確に入力しなくてはいけません。振込用の口座番号や金額の間違いが起きやすく、訂正や取り消しの手続きが必要になることもあります。
口座引き落としであれば、支払い忘れや振込間違いが起きる心配はないので、安心して利用できますよ。問題なく引き落としできたか、記帳するかインターネットバンキングの入出金明細でチェックするようにしましょう。
■クレジットカードを使わない方も利用できる
口座引き落としにはクレジットカードは不要です。クレジットカードを持てない世代や、クレジットカードを使いたくないという方でも利用できます。
クレジットカードの利用に抵抗がある理由として、個人情報の流出や不正利用といったセキュリティ面の心配や、支払いが先送りになることや分割払いにできることで、「お金を使い過ぎてしまうかも……」という不安があるようです。その点、口座引き落としは金融機関口座にあるお金の範囲でしか支払いを行えず、支払日も変更することはできません。融通が利かない分、現金の管理も自己管理もしやすくなります。
クレジットカードの使い過ぎに悩んでいる方は、口座引き落としに切り替えてみると良いかもしれませんね。
■支払いの手間がかからない
振込の場合、手数料は基本的に送金者負担になります。同行同支店あて、同行他支店あて、他行あての順に手数料が高くなる傾向があるので、手数料を節約するために振込先の金融機関に新しく口座を作ったり、振込先口座がある支店に出向いたりするなど、手間がかかることがあります。
また、振込も払込票払いも金融機関やコンビニなどに行き支払いをする必要があります。金融機関やコンビニが家から遠かったり、通勤・通学のルートから外れたりすると、支払いのためだけにわざわざ行くのは面倒ですよね。外出が大変なママやご高齢の方、忙しくてなかなか支払いに行けない方は特に、自動的に支払いが完了する口座引き落としを検討してみましょう。支払いにかかる負担が減らせるのでおすすめです。
口座引き落としの注意点
便利でいいことずくめのような口座引き落としですが、注意するべきポイントもあります。口座引き落としで失敗をしないためには、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
■引き落としには手数料がかかっている
公共料金の引き落としには手数料がかからなかったのに、家賃の引き落としには手数料がかかると言われてビックリした経験はありませんか?
実は、口座引き落としをする際には、手数料を金融機関に支払っています(条件によっては無料になる場合もあるようです)。手数料はかからないものというイメージがあるかもしれませんが、その場合は請求会社が手数料を負担してくれているということです。しかし、手数料を請求会社が負担するか、支払う側(利用者側)負担にするかは取り決めがあるわけではないので、請求会社ごとに方針は異なります。
このように、手数料が支払う側負担の場合、毎月手数料込みの代金を支払うことになります。口座引き落としは必ず「手数料無料」というわけではないので、あらかじめ確認しておくことが大切です。
■引き落とし金額の当日入金は遅い
「引き落とし日の当日に入金しても間に合うの?」という疑問ですが、間に合うことも間に合わないこともあります。これは、引き落とし処理を開始する時間は金融機関ごとに異なるからです。
また、金融機関でその日に引き落としをかける口座の中で、自分の口座が何番目に処理をされるかは決まっていないためという理由もあります。つまり、同じ支払いであっても、引き落としのタイミングは毎月変わるということです。
支払期日に口座に資金の用意が間に合わず、残高不足で引き落としができなかった場合、遅延料金が発生したり、信用情報に影響がでたりする可能性があります。また、指定の振込口座に入金する、送られてくる督促状を利用するなど、別の決済方法で支払いをすることになります。
このように、残高不足で引き落としができない状態はなんとしても避けたいところです。当日入金は間に合わないこともあり、引き落としできなかったときのリスクが高いので、前営業日(土日祝日を除いた平日の稼働日)までには必要な額を口座に入金しておくようにしましょう。
引き落とし額が分からなくなってしまった場合は、請求会社に問い合わせるようにしてください。
■引き落としの時間や回数は金融機関による
金融機関の引き落とし処理は、日付が変わるとともに順次行われていきます。先ほどもお伝えしたとおり、引き落としの時間は決まっておらず、金融機関や請求先ごとに変わってきます。
残高不足で引き落としができなかった場合、再度引き落とし(再振替)を行う金融機関と、行わない金融機関があるので注意が必要です。再度引き落としの方法は次のようにさまざまです。
【再度引き落としの方法例】
・1日に数回引き落としをしている
・入金があったと同時に引き落としをする
・支払日の翌日のみ対応
・支払日以降数日間対応
・再度引き落とし予定日が決まっている
など
また、支払日も請求会社によって異なります。複数の支払いを口座引き落としにしている場合、支払日がバラバラで管理をしにくいというデメリットがあります。支払日と当月の引き落とし総額をしっかり把握し、引き落とし履歴と口座残高を定期的に確認するように習慣づけましょう。
まとめ
口座引き落としは、だれでも簡単に利用できる支払い方法です。最初に手続きが必要になりますが、手続きは簡単です。支払いにかかる手間が減るだけでなく、通帳や入出金明細を見れば収入と支出を一度にチェックできるので、家計管理もグッと楽になりますよ。ぜひこの機会に口座引き落としを始めてみてはいかがでしょうか。