海外旅行や車の購入など、目標があると貯蓄を頑張りたくなります。ただ普通預金や定期預金だけでは低金利のため、なかなか貯まりにくいのが現状です。そのため、中には「投資」を検討する人もいることでしょう。

しかし、投資となると「元本割れが怖い」「お金が必要なときに換金できないかも」という心配も付きものです。もしリスクが怖いならば「国債」への投資を考えてみてはいかがでしょうか。今回は、国債について詳しくご紹介します。

国債とはどのようなもの?現在の金利も気になる!

国債とは国が資金調達のために発行する債券です。利子は半年に一度支払われ、元本は満期時に償還されます。現在、個人投資家は「新窓販国債」「個人向け国債」の2種類が購入可能です。

また、金利については「固定金利」と「変動金利」から選べます。固定金利は個人向け国債の5年物と3年物、新窓販国債の10年物・5年物・2年物があり、変動金利は個人向け国債の10年物となっています。

気になる現在の金利ですが、2018年9月現在で固定金利は0.05%~0.071%、変動金利は0.07%です。(税引き後の応募者利回り)都市銀行の普通預金金利0.001%、定期預金金利0.01%よりも高いことがお分かりいただけるかと思います。

国債は貯蓄に向いている? さまざまな面から見てみよう

国債は先述したとおり半年に一度利子が支払われる金融商品です。この利子は銀行預金の利息同様必ず受け取れるものであり、景気・不景気や株価の動向に左右されるものではありません。

固定金利の国債は発売時に提示されている金利が償還までずっと続きます。また、変動金利は半年に一度の金利見直しがあり、市場金利が上昇した場合それに伴い金利が上がります。反対に市場金利が下落しても国債には0.05%の最低金利保証があるため、受け取る利子が予想以上に大幅に減ることはありません。

国債は安定的にお金を貯めたいという人にとって最適の貯蓄方法といえるのではないでしょうか。

国債は安全性の面からもおすすめの金融商品!

国債が貯蓄として最適の商品である理由は他にもあります。それは「安全性」です。例えば銀行預金の場合、預けている銀行が破たんすると預金は1,000万円しか保証されません。対して国債は国が発行しているため、日本国債であれば日本国に償還義務があります。国が破たんしない限り償還は約束されたといってもいいでしょう。

ちなみに世界的に有名な格付け会社スタンダード&プアーズによると日本国債の信用格付けは「A+」です。最上位とはいかないものの債務履行には問題のないレベルといえます。

高リターンの可能性も?国債は途中売買もできる!

貯蓄をするならば「換金性」も気がかりでしょう。数年後にお金を引き出す予定で貯蓄をしていても、緊急で必要になる場面があるかもしれません。

国債ならば中途換金についても心配無用です。個人向け国債であれば発行から1年以上経過していれば中途換金が可能です。元本割れをすることもありません。また、新窓販国債の場合はいつでも売却ができます。ただし時価での売却になるため、元本を割り、売却損が出る可能性も留意しておいてください。当然ですが、時価が上昇しているときに売却すると利益を得ることもできます。

国債は金利が上昇しても安心!変動金利は金利の見直しも

長期の貯蓄をしている間は金利の動きも見ておかなければなりません。銀行で定期預金をしていても、少しでも金利の高い銀行が出てくれば預け替えを検討する人もいるでしょう。

その点、個人向け国債で変動金利の商品を選べば安心です。半年に一度の金利見直しがありますので、市場金利上昇にも対応することができます。最低金利の保証もあるため、金利が下がりすぎることもありません。

変動金利ならば、金利が変わっても預け替え先を探す必要もないため、忙しくて金利チェックをする時間がない人、金融知識があまりなく金利が高い銀行を探すのが難しい人にもピッタリです。

国債(個人向け国債)は発行から1年たてば元本割れすることなく換金できます。しかし、すぐにでもお金を引き出したいという場合もあるでしょう。そのようなときのために銀行預金もある程度は残しておくことをおすすめします。思い立ったら近くの店舗やATMからすぐに出金できる銀行預金はやはり便利な金融商品です。

「今月中~数ヵ月後に使う予定のお金は銀行預金へ」「数年間使う予定のないお金は国債へ」など、資産を分散して貯蓄するようにしましょう。