人生において高額な買い物といったら、まず思い浮かぶのが住宅の購入ですよね。それでは次に高額なものといえばなんでしょう?おそらく、自動車の購入ではないでしょうか。

新車か中古車か、車種は何にするかで購入金額は変わってきますが、新車であれば少なくとも100万円程度、普通車の新車なら300~500万円することもざらです。そんなとき、一般的には一括ではなくローンを組んで購入するケースが多いでしょう。そこでかかわってくるのが、オートローンです。今回は、そんな自動車のオートローンについて知っておきたいことをまとめました。

オートローンとは?

銀行などの金融機関によるローン商品はいくつかありますが、自動車購入のときに利用を考えたいのがオートローンです。なぜオートローンが自動車の購入費の充当に適しているのか、オートローンの特徴から利用のメリット、計算方法まで紹介します。

■オートローン(自動車ローン)とは

オートローンとは、自動車購入を目的とした、銀行などの金融機関、またはディーラーのローンサービスのことを指します。オートローンといわれることもあれば、マイカーローン、自動車ローンなどの名称で呼ばれることもあるローンサービスです。目的を指定しないフリーローンなどとの違いは、自動車に特化しているため金利面などが優遇されていることにあります。

自動車の購入費用は高額になりがちですが、オートローンを利用することによって一括でお金を用意する必要がなくなります。車を購入したいのに、手元に資金が無い、というときに活用できるローンです。

■オートローン借り入れのメリット

先にも紹介したように、オートローンを利用するメリットは、自己資金が十分に無くても車をすぐに購入できることです。どういった車を買うかにもよりますが、数百万円単位の車を一括で購入するための資金を貯めるにはそれなりに時間がかかります。仮に300万円の車を購入したい場合、1年で50万円の購入資金が用意できたとしても、6年待たなくてはならない計算です。

必要に迫られている状況なら、きっと6年も悠長に待つことはできないはずです。オートローンそんなときに自動車購入の強い味方になります。

■オートローンの計算方法

オートローンのメリットを紹介しましたが、ローンなので利用後は完済まで利息が発生します。実際にどのくらいの利息がかかるのでしょうか。オートローンの支払利息の計算式は以下の通りです。

(計算式) 元金 × 金利 × 借入期間(1年単位) ÷ 2

(例)車購入のために300万円を借入。金利2.5%、5年間借り入れた場合

300万円 × 0.025 × 5年 ÷ 2 = 187,500円(利息金額)

上記のケースでは利息金額が187,500円になるため、合計で3,187,500円を返済する必要があります。

それでは月々の支払額はどのくらいになるのでしょうか。以下の式をもとに上の例でオートローンを組んだときの毎月の支払額を出していきましょう。

(計算式) 元金 + 支払利息合計 ÷ 借入期間(1カ月単位)

(例) (300万円 + 187,500円) ÷ 60カ月 = 53,125円

例のケースだと、5年のオートローンの契約で、月々5万円以上を支払っていかなくてはならない計算になります。

オートローン選びのポイント

オートローンは、目的を明確にしなくても良いカードローンなどと比べると金利が低く抑えられてはいますが、オートローン利用による月々の返済が重いと、返していくのが難しくなることもあります。車を購入すると、ローンの返済だけでなく、車検代やタイヤ交換、ガソリン代などの維持費も別に発生するためです。

できることなら、オートローン利用による負担を最小限に抑えたいもの。オートローンを賢く選ぶための4つのポイントをまとめました。

■金利を比較すること

オートローンの返済を大きく左右するのが金利です。オートローンは金融機関ごとに金利の設定が異なり、だいたい1.5~2.9%のように範囲で表示されていることが多いです。

どのくらいの金利が適用されるかは、金融機関での審査とオートローン利用者の属性や信用実績次第になります。利用者が金利を選ぶことはできません。ですので、少しでも上限の金利が適用される可能性がある以上、最低金利で比較する意味はありません。金利を比較することはもちろん大切ですが、そのときは上限金利で比べるのがポイントです。

■固定金利か変動金利か

オートローンは、住宅ローンなどと同じく固定金利と変動金利の2種類があります。固定金利は、契約終了まで金利が変動しないもので、変動金利は契約中に金利の見直しが行われるタイプのもの。低金利の現代において、金利は変動金利の方がお得に設定されているケースが多いです。

しかし、だからといって変動金利で契約すると将来金利が上がるリスクがあります。2~3年の短期であれば変動金利でも良いかもしれませんが、長期で借り入れる場合は固定金利も検討してみましょう。

■保証料があるかどうか

保証料とは、保証人を立てないことで発生する費用のことです。オートローンでは、金利だけでなく保証料が発生することがあります。保証料に関しては金利に反映されていて、別途発生しないこともありますが、注意したいのが金利とは別に支払わなければならない場合です。保証料の扱いはどうなっているか、オートローンを比較する場合はしっかり確認しておきましょう。

■ローンに含まれる範囲はどこまでか

オートローンの対象となるのは、新車や中古車を問わず「車の購入費用」ですが、金融機関によってはさらに広い範囲でオートローンを利用できることがあります。たとえば、車の購入価格以外のオプションなどの費用、車検代、修理費などです。オートローンによっては、自動車免許取得のための費用を含めることもできます。

いずれもまとまった費用発生するものなので、車の購入以外で利用したい場合は、どこまでがローンの範囲か合わせて確認しておきたいですね。

まとめ

オートローンは、自動車購入などのほか、金融機関によっては車検代や修理費などにも適用できる車専用のローンです。まとまったお金を用意できなくても、ローンの利用で購入費をまかなえるので、必要なときに利用を考えてみましょう。

なお、同じオートローンでも、金融機関によって金利や保証料の扱いが違います。しっかり比較して、自分に合ったものを選びましょう。