金融機関などを中心にサービスが拡充してきたカードローン。基本的に使用用途が限定されないこと、保証人などが必要ないことなど気軽に利用できることから、カードローンを利用する人は少なくありません。金融機関などから、さまざまなタイプ、さまざまなサービスが付与されたカードローンが出ていますが、基本は同じです。そんなカードローンの利用で損をしないために知っておきたいのが、カードローンの返済について。利用の前に押さえておきたい返済方法や返済方式の特徴を解説します。
カードローンの返済の仕方は2種類
カードローンの返済方法は、随時返済と約定返済の2種類あります。カードローンは信用によって成り立つ取引のため、近年のカードローンはほとんどが約定返済をベースにしているケースが多いです。そもそも、随時返済や約定返済とは、どのような返済方法を指すのでしょうか。それぞれの返済方法の特徴と注意点を紹介します。
■随時返済の特徴は?
随時返済とは、返済のための金額が一部用意できたら、都度返済していく方法のことです。カードローン契約者の好きなタイミングで返済していくことができます。
ただし、随時返済のみの契約にしてしまうと、債権者である金融機関などが計画的に回収できないため、現在のカードローンで随時返済のみで返済していくことはほぼ不可能です。後に紹介する約定返済の、あくまでも補助として活用されます。
なお、約定返済を補う形で随時返済が設けられる場合、約定返済ですでに利息分を支払うことになるため、随時返済はすべて元金に充てられます。約定返済と合わせて随時返済を利用することで、当初よりも早くカードローンを返済できる点が魅力です。
■約定返済の特徴は?
約定(やくじょう)とは、約束を取り決めること。カードローンの返済方法である約定返済とは、返済する日を約束してお金を返していくことです。約定返済では、毎月決められた額を、毎月決められた日に返済していきます。
大手金融機関のカードローンなどを見ていくと、そのほとんどが約定返済で、随時返済をしているところはほぼありません。カードローンを利用する場合は、約定返済が基本だと考えておいた方がよさそうです。
なお、約定返済は決められた日にちに決められた額を返済していくことが重要なため、返済期日を遅れたら遅延損害金が発生することがあります。
カードローンの返済方法の種類
ここまで、どのような返済の仕方があるかを紹介しました。しかし紹介したのは、あくまでどういった形で返済していくかです。返済する方法はまた別になります。実際にカードローンを返済するとき、どのような方法で返済していくのでしょうか。カードローンの返済方法4つをみていきましょう。
■webでの返済の特徴は?
web上で、銀行の残高照会や入出金が可能なインターネットバンキングが普及したこともあって、返済方法としてweb返済を導入しているところが増えています。
返済は、インターネット環境があるパソコン、あるいはスマートフォン、タブレットから。インターネット上で操作をして、指定の口座に振り込む方法です。
ただし、前準備としてインターネットバンキング可能な金融機関の口座で、インターネットバンキングを利用できるよう手続きを済ませておく必要があります。カードローンによっては、金融機関まで指定されることもあるため、利用には注意したいです。
■振込での返済の特徴は?
web経由ではなく、口座を開設している金融機関のATMなどを利用して、指定された口座に入金する方法です。指定の口座に振り込むという部分は、web返済と同じです。
しかし、web返済のようにインターネットバンキングが利用できる金融機関の口座である必要はありません。インターネットバンキングのように事前の手続きも必要ないため、誰でも可能な返済方法といえます。
また、web振り込みと違って、金融機関が指定されない点もうれしいところ。普段自分が利用している金融機関の口座を使った返済ができるため、返済のためにわざわざ何かの手続きをする必要がありません。ただし、振り込み手数料はweb返済と同様に振込者負担になるケースが一般的なので注意しましょう。
■ATMでの返済の特徴は?
指定の口座に振り込むのではなく、カードローンのカードを利用して直接ATMから返済する方法もあります。金融機関などのATMのほか、提携先のATM、コンビニのATMからも返済が可能です。カードローンを発行している会社にもよりますが、コンビニATMからの返済の場合、24時間返済に対応しているケースも少なくありません。
ただし、コンビニATMは便利な分、手数料が発生することが多いので注意しましょう。手数料が気になる場合は、返済時手数料のかからないことも多い、カードローン発行会社のATMで返済した方がお得です。
■窓口での返済の特徴は?
カードローンを取り扱っている金融機関などの窓口で、直接返済する方法もあります。店頭窓口で直接返済するメリットは、返済時に返済の方法や返済額など、返済に関して気軽に相談できることです。
振込返済やATM返済は直接担当者と対面することがないため、返済の計画を変更してもらいたいと思ってもなかなか相談する機会が巡ってきません。どうしても返済の方法や返済額の変更をしてもらいたいときは、サポートデスクなど自分で連絡しなくてはならないでしょう。窓口返済の場合は、返済ついでに相談ができるので便利です。
窓口に直接足を運ぶ手間はありますが、カードローンの利用で相談したいことがあれば、窓口を活用してみても良いでしょう。
会社によって異なる返済方式の特徴は?
ここまで返済の仕方や返済方法の種類についてお話ししてきました。どうやって返済していくかはある程度把握できたかと思います。問題は、毎月どのくらい返済していくのかです。毎月の返済額については、カードローンごとに指定されるケースが多くなります。お得な金利でも返済方式によっては損をすることもあるので、カードローンを契約するならよく確認しておきたい部分です。カードローンで使われる、4つの返済方式をみていきましょう。
■元利均等返済の特徴は?
元金(借入額)と利息の合計が、毎月一定になる返済方式のことです。しかし、利息が毎月の返済に組み込まれてしまうため、カードローンを返しはじめたときは利息の負担が大きくなる傾向にあります。
利息の負担が多くなるということは、その分元金の返済が思うようにいかないということ。毎月の返済額や借入額次第では、想定していた以上に元金が返済できていないこともあります。返済額を変更できるのであれば、返済の状況に合わせて変更することをおすすめします。
ただし、返済額は毎月一定になるため、元金の返済が遅くはなるものの、返済の計画は立てやすいです。元金均等方式のように思っていた以上に返済額が膨らむことはありません。
■元金均等返済の特徴は?
元金均等返済は、毎月元金のみ返済額が一定になる返済方式です。利息は元金に上乗せされるため、毎月の返済額が変動して、いくら用意すればよいかわかりにくい部分があります。返済日の都度、返済額を確認する必要が出てくるでしょう。
また、元金均等返済は、はじめの方の利息の支払いが多く、想定以上に返済額が多くなってしまうこともあります。元金均等返済は、初回の返済額を確かめることが大切です。しかしその分、毎月一定の元金が返済されるため、元利均等返済より元金の返済が早く完了するメリットがあります。
■分割払いの特徴は?
分割払いは、回数を指定して返済していく方式のことです。はじめに借り入れた額を返済しないと新たに利用できないフリーローンであれば分割払いも活用できますが、契約中何度も借入可能なことが多いカードローンではまず使われることはありません。理由は、商品ごとに分割の指定をしていくため、利用者側もカードローンを提供する金融機関なども非常に手間がかかるためです。
仮に分割払いが利用できる場合は、購入した商品に合わせて毎月の負担が増えていくため注意しましょう。どのくらい分割が重なっているか、自らの管理が欠かせません。
■リボルビング払いの特徴は?
リボルビング払いは、固定化された返済額のルールに基づいて返済が決まる方式のことです。カードローンではよく使われる方式で、ほかの方法と比べると毎月の返済額が少額になり、返済までの期間が長くなる傾向にあります。
リボルビング払いは大きく分けると、定率リボルビング方式、定額リボルビング方式、残高スライドリボルビング方式の3種類に分けられます。
定率リボルビング方式は、返済額に対して毎月一定率を返済すること。定額リボルビング方式は、毎月一定額の返済をする方式のことです。残高スライドリボルビング方式は、リボルビング方式の中でも利用されることが多く、契約期間中の新たな借り入れで、返済率や返済額が見直される方式になります。
なお、リボルビング方式は先に紹介したように、元利均等か、元金均等かによって返済が変わってくるので注意したいです。
まとめ
カードローンは、返済のしかた、返済方法、返済方式の違いで、返済額や返済の手間に大きく影響します。カードローンを比較する際、どうしても金利に目がいってしまいますが、金利だけでなくどのように返済するかについてもよく確認しておきたいです。カードローンの利用で損をしないためにも、返済については商品内容をよくみておくようにしましょう。