退職後の資金と言われたときに、「国からの年金」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。では、国からの年金が具体的にいくらもらえるかということはご存じでしょうか。実はもらえる額は、働き方や家族構成によって異なるのです。今回は、具体的に老後の公的年金がいくらもらえるのか試算してみましょう。

老後の公的年金いくらもらえるかご存じですか?

「老後の準備は特にしていないけど、国からの年金をもらえるはずだし大丈夫」と安心してはいけません。皆さんは、老後の資金は毎月いくらもらえるのかご存じでしょうか?2018年現在、30歳会社員の方が65歳になったときに、もらえる額は月18万円以下と言われています。これは、高齢化社会が進み、働き盛り世代が支える高齢者の割合が増えたからです。この理由を考えると、今後さらに高齢化社会が進んでいくことで、それに伴い年金額が減っていくことが予想されます。では、具体的に私たちは老後どのくらいの年金を受け取ることができるのでしょうか。

公的年金がいくらもらえるのか試算してみましょう

ところで、皆さんは国からもらえるお金が月に18万円以下と言われ、どのような印象を抱いたでしょうか。18万円というと、大学卒業後に新卒で入社した際の初任給よりも低く、「とてもじゃないけど、国からの年金だけでは生活できない」と思った方も多いのではないでしょうか。実際、病気になるリスクやライフプランの変化を考えると公的年金だけで生活するのは難しいといえます。だからこそ、いくらもらえるのかを正しく知る必要があるのです。今回は、フリーサイトを利用し、実際にもらえる公的年金の額を計算、いくつかのパターンに分けて、具体的な額をご紹介いたします。

会社員の場合もらえる額は月々17万円

では、具体的に年金の受取額を試算できるサイトで、計算してみましょう。今回は、35歳の男性が、1つの会社で37年間、平均年収600万円で働き、60歳で会社をリタイアした場合を想定しシミュレーションします。

上記条件の場合、男性が65歳から受け取れる老齢基礎年金の年間受給額は778,500円、老齢厚生年金は1,300,600円、合計すると年間およそ208万円もらえるとの結果が出ます。なんと月々18万円以下となってしまうのです。リタイアする前までの給与が新卒から平均すると600万円と仮定したうえで、年間200万円を切ってしまうので、ご自身で貯金するか生活水準を見直さざるをえないということがわかります。

会社員の夫を持つ主婦の年金額はいったいいくら?

では、先ほどの条件で算出した35歳会社員男性の配偶者の場合はいったいいくらもらえるのでしょうか。ここでは、配偶者は同い年の35歳女性、新卒で1年働いた後は、専業主婦として家庭を支えてきた女性と仮定しましょう。

同じく、試算してみると、女性が65歳から受け取ることができる老齢基礎年金は男性と同じく778,500円。基礎年金は、日本国内に住む20歳以上の方の場合、条件や金額が変わることはないので同額です。しかし、今回の場合、女性が会社員として働いたのが23歳から24歳までの1年間。この1年間の年収を初任給の平均240万円と仮定すると、老齢厚生年金は年間14,100円の受給となります。そのため、合計すると年間で受給できる公的年金はおよそ79万円、月額6万円となるのです。夫婦合わせても公的年金のみで生活するとなると年間287万円、月額24万円以内に支出を抑えなければいけないのです。

公務員や自営業の場合はいくらもらえるの?

ここまで、会社員の方がいくらもらえるのかをご紹介してきましたが、公務員や自営業の方の場合はどうなのでしょうか。

まず、公務員の方の場合は、基礎となる老齢基礎年金に加え、会社員でいう厚生年金、いわゆる2階部分と表現される部分として共済年金を受け取ることができるので、仕組みは一緒です。具体的な額については、多くのフリーサイトでは、厚生年金と同じであると仮定している場合が多いので、自分の務める勤務先ではどのくらいもらえるのかを調査してみると良いでしょう。

次に自営業の方の場合は、毎月納めているのが国民基礎年金となるため、受け取れるのは年金の1階部分のみです。つまり、今までの条件と同じく35歳男性の場合は、年収の差は関係なく、65歳になったときに受給できる額は、老齢基礎年金の778,500円のみとなるのです。いかに老後のために、自分で貯蓄しておくべきかということがわかります。

具体的な試算は国民年金機構ホームページへ

実際に計算してみると、国から受給できる公的年金額が思った以上に少ないことに気付くのではないでしょうか。ぜひ一度ご自身の年収額などに当てはめて、試算してみることをおすすめします。

また、日本年金機構のホームページでは、支払い状況や勤務状況など、個人情報をより詳細に反映させたうえで、年金見込み額を計算することが可能です。現実的な数字や額を知りたいという方は、ぜひ日本年金機構が運営する「ねんきんネット」ホームページに登録のうえ、マイページにアクセスしてみましょう。