老後の生活の基本となる年金。会社を退職後にいくらの年金を受け取れるか、気になる人も多いのではないでしょうか。しかし、ひとくちに年金といっても、国民年金以外にさまざまな年金があります。

老後の人生設計をするためにも、自分がどの年金に加入して、いくら年金が受け取れるかを把握しておくことは重要です。ここでは、年金の種類や受け取る金額などの基礎知識を解説します。

1. 年金には大きく分けて3つの種類がある

日本はこれから超高齢化社会を迎えます。まだ数十年も後のこととはいえ、自分は公的年金をきちんと受け取れるのか、気にかけている方も多いでしょう。そもそも、老後の家計のカギを握る、公的年金の「最低限のこと」についてどこまで知っているでしょうか。

年金には大きく分けて、公的年金・企業年金・私的年金の3種類があります。年金のことを知るためには、まずは、各年金がどのようなものかを知る必要があります。ただし最近では、大企業など自分で運営する企業年金は少なくなっているため、ここでは、公的年金と私的年金に焦点を当て、年金を詳しく見ていきます。

2.公的年金だけではなく私的年金も考えよう

大きく分けて3つの種類がある年金ですが、公的年金、特に国民年金だけでは、老後の生活が苦しい場合も多くあります。老後の生活を豊かにするために、自分で年金を用意する制度が私的年金です。将来の生活に不安がある場合は、私的年金に加入しておくことも考えた方がよいでしょう。では、公的年金の受取額がどれぐらいなのか、私的年金にはどのようなものがあるかを確認していきます。

国民年金の支払額と受取額

公的年金には、大きく分けて国民年金と厚生年金があります。このうち自営業などの人が毎月納付しているのが国民年金です。ここでは、国民年金の支払額と受取額を見ていきます。

【支払額】

国民年金は、所得に関係なく、すべての人が一律の金額を支払います。ただし、毎年金額が異なります。2018年では16,340円です。2019年以降は、17,000円を基準にして、物価や賃金上昇率などによって毎年金額が決まります。

【受取額】

国民年金(老齢基礎年金)は、10年以上保険料を納付(免除期間を含む)した場合に支給されます。40年保険料を納付すると満額で、年779,300円を受け取ることができます。(平成30年4月現在)

厚生年金の支払額と受取額

公的年金のうち、サラリーマンが、毎月納付(給料から天引き)しているのが厚生年金です。ここでは、厚生年金の支払額と受取額を見ていきます。

【支払額】

厚生年金は、毎月の給料額により支払金額が異なります。平成29年9月以降に支払う保険料は、以下、日本年金機構のサイトにある表のとおりです。

【受取額】

公的年金は国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の2階建てになっています。サラリーマンなどの厚生年金に加入している人は、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして、厚生年金(老齢厚生年金)を受け取ることが可能です。

老齢厚生年金は、定額部分+報酬比例部分+加給年金額の計算式で求めます。具体的な計算については、以下の日本年金機構のページをご参照ください。

参照:日本年金機構「国民年金(老齢基礎年金)」

老後の生活を豊かにする私的年金

ここまでは公的年金について見てきました。公的年金、特に国民年金の場合は満額でも、年779,300円しか受け取ることができません。そこで検討したいのが、私的年金への加入です。私的年金とは、iDeCo(イデコ)や生命保険会社の個人年金など、公的年金の他に自分で加入する年金のことです。

iDeCo(イデコ)は、加入者が毎月一定の金額を拠出し、その拠出金を定期預金・保険・投資信託などで、自ら運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取る制度です。iDeCo(イデコ)には金融機関等を通じて加入します。

個人年金は、生命保険会社が運営する年金です。毎月一定金額を拠出し、将来、年金を受け取る制度です。私的年金にはいろいろな種類があり、加入条件や運用方法などもさまざまです。老後の生活を豊かにするためにも、自分にぴったりのものを探しましょう。加入を検討する場合は、まずは金融機関や生命保険会社に問い合わせてみてください。