突然ですが、みなさんはどのような方法で貯蓄をしていますか?しばらく使う予定のないお金は、定期預金に預けているという人も多いでしょう。普通預金よりも金利が高めに設定されている定期預金は魅力がありますよね。

定期預金はまとまった金額を預けるものというイメージがありますが、実は少額から積立をするタイプもあります。積立の定期預金を活用すれば、毎月コツコツ、確実に貯蓄していくことができますよ。この記事では、積立定期預金にスポットを当て、特徴や始め方、注意点などをお伝えしていきます。

積立式定期預金とは?

積立定期預金は1,000円から積立ができる銀行もあり、始めやすい金融商品と言えそうです。積立定期預金をうまく活用できるように、まずは基本を確認しておきましょう。

■積立定期預金とは

積立タイプの定期預金のことを積立定期預金や積立式定期預金と呼びます。毎月決まった日に、指定した金額を普通預金から定期預金に振り替えてくれる預金です。振替をする日と金額を設定すれば毎月自動で積立をしてくれるので、「給料が振り込まれたら、一部を貯蓄用の口座に移動する」などといった手間は必要ありません。振替を忘れてしまう心配もないので安心です。

最低積立額、預入期間、金利などは銀行によって異なるので、必ずチェックするようにしましょう。

■積立定期預金の特徴は?

自動で積立ができ、普通預金よりも金利が高めに設定されているのが特徴です。すぐに手をつけないお金として普通預金口座と別にしておけるので、資金管理がしやすくなります。自動でお金が貯まっていく仕組みを作ってしまえば、これまで貯蓄がうまくできなかった人でも、面倒くさがり屋の人でも、楽に貯蓄ができます。

また、月々の積立だけでなく、ボーナス月の設定やATMなどから随時入金も可能です。さらに積立期間(満期日)が自分で決められるなど、自由度の高さも魅力です。

■積立定期預金の仕組み

基本的には、毎月の積立がそれぞれ独立した定期預金となるため、一部の資金だけを引き出すことが可能です。通常の定期預金では資金がひとつにまとまっているため、資金を引き出すには解約しなければいけないので、大きな違いですね。積立定期預金では据え置き期間が設けられていることが多く、その期間は解約や引き出しができないので、注意してください。

積立定期預金は、銀行ごとにさまざまなタイプが用意されています。たとえば、期間を設定する「満期日指定型」、期間を設定しない「エンドレス型」、資金を分割で受け取ることができる「年金型」、独立している定期預金をひとつにまとめる「おまとめ型」などです。希望のタイプから利用する銀行を探してみるのも良いですね。

積立式定期預金の始め方

「積立定期預金を始めようかな」と思ったら、申し込みが必要となります。利用したい銀行に口座がなければいけないので、未開設の場合は口座開設から始めましょう。

■始めるべき銀行口座は?

お給料が振り込まれる銀行口座を利用するのがもっともおすすめです。毎月の給料日を積立日に設定すれば、残高不足で振替ができないというリスクが少ないので安心です。ほかの銀行から資金移動をする必要もないので、ほったらかしで貯蓄を続けることができます。せっかく預金をするので、少しでも金利が高い銀行を利用するというのもひとつの選択肢です。なにを一番に優先したいかを考えて、銀行口座を選びましょう。

■積立式定期預金の申し込み方法

積立定期預金の申し込みは、窓口・郵送・インターネットから可能です。窓口で申し込む場合は、印鑑・通帳・身分証明書を持参しましょう。窓口であれば、分からないことや気になることをすぐに質問できるので、スムーズに手続きが進みます。

最近では、インターネットで申し込みが完結できる銀行も多くあります。インターネットでの申し込みはお手軽ですが、インターネット環境がない人、パソコンの操作が苦手な人もいるでしょう。そんな場合にも、窓口での申し込みがおすすめです。申し込み時に決めることとなる「積立額」「積立日」なども、担当者に相談しながら決めることができます。

■積立式定期預金をする金額の目安は?

積立額は、「いつまでにいくら用意したいか」で逆算するのがおすすめです。旅行や習いごと、マイホーム購入など、明確な目標があるとさらに貯蓄しやすくなります。

また、無理のない積立を続けていくためには、手取りの10~15%程度を目安にすると良いでしょう。月の手取りが20万円なら、2~3万円くらいですね。目標から逆算した積立額が15%を超える場合でも、生活をする上で負担を感じなければ、自分に合った貯蓄額ということになります。

■積立式定期預金の注意点

残高不足で振替ができないことがないように、お給料日を積立日に設定することが大切です。また、短期間で目標額を貯めようとすると貯蓄が苦痛になってしまうので、無理な積立額に設定しないこともポイントです。

積立額の目安は手取りの10~15%とお伝えしましたが、金額の変更や随時入金もできるので、あまりこだわらずに無理のない積立額に設定するようにしましょう。

積立定期預金のメリット・デメリット

メリット・デメリットを知ることで、定期積立預金が向いている人・向いていない人が見えてきます。どの金融商品にも必ず向き不向きがあるので、自分に合っているかどうか判断してみてください。

■積立定期預金のメリット

(1)元本保証

株や投資信託のような値動きのある金融商品だと、資金を増やせる可能性がある代わりに損がでる可能性もあります。いっぽう積立定期預金は元本保証されているので、「積立額+利息」が確実に貯まっていきます。

⇒「資金が減るのは絶対に嫌」という人に向いています。

(2)先取り貯蓄ができる

先取り貯蓄は有効な貯蓄方法のひとつで、お給料が振り込まれたら、すぐに貯蓄分を取り分けておく方法です。「収入-生活費=貯蓄」のように余ったお金を貯蓄しようとすると、手元にあるだけお金を使ってしまいがちなので、なかなかうまく貯蓄ができません。それを「収入-貯蓄=生活費」とすることで、強制的に貯蓄をする仕組みを作ることができるのです。

⇒貯蓄が苦手な人に向いています。

(3)自動積立なので手間がない

積立を利用しないで貯蓄をする場合、お給料の振込口座から貯蓄用の口座に資金を移動するなど、手間がかかることもあります。面倒なことは長く続かないですよね。

積立定期預金であれば自動で振り替えてくれるので手間はなく、ほったらかしでOKです。

⇒面倒くさがり屋の人に向いています。

■積立定期預金のデメリット

普通預金よりは金利が高めですが、低水準には変わりないので、あくまでも「貯める」手段として利用しましょう。お金を増やしたいのであれば、ある程度リスクのある金融商品で資産運用をすることです。リスクを減らしながら堅実にお金を増やしていく方法もあるので、積立定期預金である程度貯蓄ができてきたら、資産運用にも挑戦してみることをおすすめします。

⇒お金を積極的に増やしたい人には向いていません。

まとめ

積立定期預金は通常の定期預金よりも自由度が高い金融商品だということが分かりましたね。貯蓄を成功させるには、「仕組みづくり」「手間が少ない」「無理をしない」ということが鍵になります。使い勝手の良い積立定期預金をうまく活用して、効率的な貯蓄を目指しましょう。