「税金が高い」という話をよく聞きます。しかし、給与天引きで税金を支払うサラリーマンの場合、どの税金にいくらほど支払っているのかまではなかなか意識しづらいのではないでしょうか。

私たちが払っている税金にはどのような種類があるのでしょうか。また「国に支払う税金」、「住んでいる地方自治体に支払う税金」という違いもあります。そして、何をいくらほど引かれているのかも気になります。この記事では「税金」について詳しく見ていきましょう。

税金の種類は大きく分けて2つ!国税と地方税について

一口に税金といっても課税元によって大きく2つに分けられます。「国税」と「地方税」です。

国税は国に支払う税金です。具体的には「所得税」「相続税」「贈与税」が国税に当たります。そして、地方税ですが、こちらは「住民税」「固定資産税」「自動車税」などです。

その中でも所得税、住民税は毎月の給与明細にも記載されているので見覚えがある人も多いでしょう。ただ、この所得税と住民税、対象年度が違うことをご存じでしょうか。

所得税は1月~12月の所得から計算されますが、住民税は前年の収入に課税される税金です。そのため、「前年は収入が多かったが、今年は全く収入がない」状態であっても、住民税は課税されてしまうのです。

日本の税収っていくらなの?税金の種類ごとに見てみよう

日本に住む人ならば誰でも負担している「税金」ですが、毎年どのくらいの税収があるのかも気になるところです。

2016年度の国税の税収総額は58兆9,563億円でした。その中でも所得税は17兆6,111億円と全体の29.9%を占めており、法人税の17.5%よりも割合が大きくなっています。

2016年度の地方税総額は39兆3,924億円です。いちばん割合の大きかったのは個人の住民税の31.7%、12兆5,030億円となっています。

私たち個人の納める税金が国や地方自治体の税収の多くを占めることがよく分かる結果ではないでしょうか。

ちなみに過去の話ですが、いわゆる「バブル期」といわれていた1989年は個人の所得税だけで26兆円ほどありました。「以前と比べて国民の収入が減っている」とはよくいわれていますが、税収の面から見てもそれが分かります。

収入によって違いが出る税金の種類「所得税」について

会社に勤める人は所得税が「給与所得だけ」に課税されるものだと思いがちですが、それは違います。

株式投資で出る「配当」、ネットオークション販売で出た「利益」も所得に含まれます。サラリーマンがお小遣い稼ぎとして株式投資やネットオークション販売をすることもあるでしょう。これらについても所得として申告の義務があることを忘れないでください。

※株式配当については源泉徴収口座利用で申告不要にすることもできます

なお簡単にですが、所得税の税率は所得金額300万円の場合は税率10%(控除額9万7,500円)、所得金額500万円で税率20%(控除額42万7,500円)です。2037年までは「復興特別所得税」として基準所得税額×2.1%の税金が加算されます。

個人の資産にかかる税金の種類「資産課税」について

「親が土地を持っているけれど相続したら税金がかかるかも」など、相続に対して漠然とした不安を持っている人もいることでしょう。

相続に関わる税金=相続税は資産課税の1つです。2015年以降基礎控除の引き下げと最高税率の引き上げが行われています。

具体的には「5,000万円+1,000万円×法定相続人」だった基礎控除が「3,000万円+600万円×法定相続人」になりました。この改正により、今までは相続税の支払い予定がなかった人にも課税されるかもしれません。相続するかもしれない財産があるならば確認しておきましょう。

誰でも支払っている税金の種類「消費税」について

働いていない子どもでも支払っている税金があります。それは「消費税」です。ご存じのとおり、商品販売やサービスの提供などの取引金額に8%課税されます。8%の内訳ですが、6.3%が国税の「消費税」、1.7%が地方税の「地方消費税」です。ただし郵便切手や印紙の購入、有価証券の譲渡などの取引には消費税はかかりません。

1989年に税率3%から始まった消費税ですが、1997年に5%、2014年に8%と引き上げられてきました。2019年には10%への引き上げも予定されています。(軽減税率分は除く)いちばん身近ともいえる消費税の動向に今後も注目していきましょう。