「無駄遣いをしていないのにお金が貯まらない」「節約しているのにお金が貯まらない」と悩んでいる人も少なくないと思います。もちろん十分な収入があるのかも1つの問題としてありますが、同じ収入、同じような暮らしでもお金が貯まる人と貯まらない人がいます。なぜ両者に差が出てしまうのでしょうか?

今回は、お金が貯まらない人に共通する理由と、これまでお金が貯まらなかった人でも取り組める銀行を活用した賢い貯金の方法を紹介していきます。

「貯めようとしているのに貯まらない理由」

「貯金はしているはずなのに……」なぜ同じ貯金をしている人でも、お金が貯まる人と貯まらない人に差が出てしまうのでしょうか。

実は、お金を貯めようと思っているのに貯まらないのには理由があります。少しでもお金を貯めたいと思うなら、まずはお金が貯まらない理由を把握することが大切。実際に定期預金や定額預金を利用するなどお金を貯める行動をしているのに、なかなかお金が貯まらない人の特徴2つを紹介します。

■目的もなく貯めている

お金がなかなか貯まらない理由の1つが、目的のないダラダラ貯金。ただ「お金を貯めるだけ」が目的になってはいませんか?

ダラダラ貯金がよくない理由は、目標額が定まっていないため。例えば住宅購入の頭金を貯める目的がある場合、30歳までに500万円貯めるなど具体的な金額や期間が明確になるはずです。しかし、ダラダラ貯金は目的がないので、いつまでにいくら貯めるか不明ですし、金額が定まっていない分モチベーションを維持することが難しくなります。

さらに貯金主体の生活を続けていると、だんだん生活が窮屈に感じてしまい、その反動で豪華すぎる“自分へのごほうび”を用意してしまう人も少なくありません。中には、目的がないと貯金することへの意味が感じられなくなってしまう人もいるでしょう。

それでは、目的がなくても金額や期間を明確にすればよいのでしょうか?仮に10年後に1,000万円の貯金を目標にしたとします。しかし、結局は使う目的がないのでお金が貯まらなくても困りません。安心感があるので、貯金をしていたとしてもなかなか貯まらない状況になってしまいます。

住宅購入用や教育資金用の名目のある貯金は使ってしまうことに罪悪感を覚えますが、そもそも目的のない貯金を使っても「いつか使うものだから」と気になりません。目的のない貯金は貯まりにくく、出ていきやすい貯金なのです。

■「成り行き貯蓄」はほとんど貯まらない

成り行き貯蓄とは、月のお金の使用状況に合わせて貯金をするスタイルのこと。締め日を次の給料日までなどと決めて、毎月決めた日に余ったお金を貯金にまわすことです。

給料が入ったら先に決まった金額を貯金する「先取り貯蓄」とは反対の方法になりますが、実はこの「成り行き貯蓄」がお金の貯まりにくい原因になっていることもあります。

先取り貯金だとすでに手元にお金がないので、手元にある範囲で生活しようと考えます。成り行き貯蓄がよくないのは、貯金するまでの手元にお金がある期間が長いことが理由です。

実際は貯金するはずのお金も、手元にお金があることから、まだまだ使えるお金があると錯覚してしまいます。「まだお金がある」という安心感は、「お金を貯めたい」という行動の逆の行動に繋がることも。精神的な余裕から金銭的にも心が大きくなってしまい、来月購入しようとしていたものを先に買ってしまうなど、無駄遣いに繋がってしまうこともあります。

「お金が貯まらない人に共通する習慣は?」

ここまで、お金が貯まらない人に共通する貯金のしかたを紹介してきましたが、問題は貯金の方法だけではありません。普段のなにげない行動が、お金が貯まらない原因になっていることもあります。貯金以外で普段から気をつけるべきポイントはどこにあるのでしょうか?お金が貯まらない人に共通する3つの習慣をみていきましょう。

■コンビニやカフェの出費がかさんでいる!

「ちょっとお茶しよう」「小腹がすいたからスイーツを買おう」といったときに、コンビニやカフェは気軽に利用できて便利です。しかし、それが毎日の習慣のようになっていて出費がかさんではいませんか?

たまには息抜きも必要ですし、週に1~2回、数百円の利用なら問題ないでしょう。しかし、毎日コンビニやカフェに数百円使っているなら、それは悪い習慣として認識すべきかもしれません。1日300円のコンビニやカフェでの出費も1カ月に換算すると9,000円以上の出費になってしまいます。毎日500円使っているなら、月15,000円以上の出費です。

月1万円あれば何ができるでしょうか。生命保険代、車の任意保険、人によっては水道光熱費に充てられる人もいるかもしれませんね。1万円まるまる貯金にすれば、毎年12万円貯金額を増やすことだってできます。

■分割払いをつい使ってしまう

手元に資金がないときに便利な分割払い。必要がなくても、数万円以上する商品は分割払いを選択する生活になっていませんか?分割払いは便利ですが、結局は商品の額面はしっかり払わなければなりません。それどころか、分割の回数に応じて手数料が発生してしまいます。

総支払額でみると、一括で支払うときよりも分割で支払う方が損をしてしまうのです。例えばクレジットカードの場合、分割払いの手数料は10~15%くらいなので、10万円の買い物をすると支払回数にもよりますが、1万円近く手数料を支払うこともあります。手数料分だけ損して貯金にまわせなくなってしまうので、分割払いが多い人は分割払いを増やさないこと、分割払い分を早めに清算することをまずは心がけましょう。

■ボーナスで大きな買い物をしてしまう

ボーナスがあると、普段よりお金が手元にあるためか、気も大きくなってしまいがちです。多少の贅沢なら仕事のモチベーションを高めるのにいいかもしれませんが、高額な買い物にまわしてしまうと、せっかくのボーナスも一瞬のうちに消えてしまいます。

もちろん、毎回毎回ボーナスのたびに我慢する必要はないでしょう。しかし、ボーナスが入るたびに高額な買い物をするのは考えもの。せっかく貯金額が一気に増えるチャンスであるボーナスを、棒に振ってしまうことになります。

「お金が貯まる方法」

貯金をしていてもお金が貯まらない理由がわかれば、貯まらない原因を無くし、あとはお金が貯まるようなしくみを利用するだけ。貯金にはさまざまな方法がありますが、うまく貯金したいなら、開設しやすい銀行口座を活用した貯金がおすすめです。これまでお金が貯まらなかった人でもお金が貯まるようになる、3つのステップを順に紹介します。

■お金の出入りを見える化する

お金が貯まらない人の共通点として、ボーナスで高額な買い物をする、カフェやコンビニを利用するなどをあげましたが、人によって無駄遣いになっている部分は違います。自分の中で無駄遣いしていないと思っていても、フタを開けると意識していなかった部分が無駄遣いになっていることもあるものです。

例えば必要以上に衣料品を買っていたり、必要のない外食で食費がかさんでいたり…。しかし、自分の生活を客観的に見つめるのは難しいもの。ファイナンシャルプランナーなどプロにみてもらう方法もありますが、プロに依頼する前に自分でできる方法としてやっておきたいのが、家計簿をつけることです。

家計簿をつけて、各費用を数値化すると「ちょっと使い過ぎているな」「他の項目と比べて異常に出費が大きな」など、ある程度自分でも判断することができます。レシートを自動で読み取ってくれるアプリもあるので、活用してみるのもいいでしょう。

レシートなど細かい出費の入力が面倒な場合は、クレジットカードや電子マネーを活用するのも方法の1つ。クレジットカードや電子マネーと家計簿アプリなどを連携させれば、自動で家計簿に反映させることもできます。お金が貯まらないなら、まずは家計簿をつけてお金の出入りを見える化しましょう。

■自動積立を利用して「先取り貯蓄」

貯金をしていてもお金が貯まらない人の特徴として、「成り行き貯蓄」をしている人を紹介しました。お金が貯まるようにするには、成り行き貯蓄の反対の「先取り貯蓄」をうまく利用するのがコツです。

先取り貯蓄とは、毎月の支出の状況に流されるのではなく、毎月一定の額を先に貯金にまわしておく方法のこと。先に貯金をしておくことで、残ったお金で生活しようという意思が働くため、成り行き貯蓄よりも決まった額をうまく貯めやすくなります。

先取り貯蓄のコツは、給料日などお金が入った日から期間を空けずに貯金にまわすこと。そうすることで、はじめから貯金分はないものとして生活できます。

賢く貯金するなら、毎月同じ額を決まった日に貯金にまわせる自動積立の利用がおすすめです。これなら、自分で貯金する手間が省けますし、給与からの天引きのような感覚で利用できます。例えば給料日が毎月15日(土日は前倒し)なら次の日の16日付近に、給料日から短めに設定しておきましょう。

それでは、毎月の貯金額はいくらで設定すればいいのか?そこで参考になるのが1ステップ目の「お金の出入りの見える化」です。毎月のだいたいの収支を把握することで、平均的にいくら貯蓄にまわせるかわかります。

■銀行口座を目的ごとに分けて貯金する

銀行口座の複数持ちは管理が面倒と感じる人もいるかもしれません。しかし、教育費や住宅購入準備金、老後資金など複数の貯金の目的がある人にとっては、複数の口座を持つことはメリットになります。

例えば、1つの銀行口座を貯蓄用と決めて貯金するとします。目的が教育費目的のように1つであれば問題ないのですが、さまざまな目的のために利用してまとめて利用するのは目的のないダラダラ貯金と同じになってしまいます。1つの口座にまとめることによって、各目的に対して実際どれくらいお金が貯まっているのか視覚化されにくいためです。

さらに1つの口座にまとめることによって、実際に目標よりも多く貯まっているように見えてしまい、無駄遣いにも繋がってしまいます。しっかりお金を貯めたいなら、「教育用」「住宅購入用」「旅行用」などと銀行口座を使い分けるようにしましょう。その方が、貯金の管理もしやすくなります。

まとめ

毎月貯金をしていても、なかなかお金が貯まらないのには理由があります。毎日のように利用するカフェやよく利用する分割払いなど生活習慣が原因の場合もありますが、銀行口座の使い方も原因の1つ。貯金をしているといっても、生活費の口座と貯蓄用の口座が同じになってはいないでしょうか?

銀行口座の見直しや自動積立などのサービスを見直すことによって、意識しなくてもお金が貯まる環境をつくることはできます。家計簿をつけるのが苦手な方は、まず銀行口座を目的別に複数作って貯められる環境を整備し、毎月ざっくりでいいので先取り貯蓄をはじめてみましょう。