冠婚葬祭が重なるなど、急なまとまった出費でお金が足りなくなってしまうこともありますよね。ちょっとした額なら家族に借りる方法もありますが、場合によってはなかなか言いにくいこともあるでしょう。そんなときに活用できるのが、金融機関で提供されているフリーローンです。

フリーローンとはそもそもどういったものなのか、適用される金利はどれくらいなのか、フリーローンを利用する際に知っておきたい金利のことを中心に解説します。

フリーローンとは?

金融機関のローンサービスの中には、フリーローンというサービスがあります。利便性の高さなどからカードローンが広く知られるようになったため、フリーローンはカードローンの陰に隠れてしまいがちですが、目的や生活スタイル次第では、カードローンよりも活用のしがいがあるローンです。フリーローンとは何か、フリーローンの借り入れポイントも合わせて見ていきましょう。

■フリーローンとは?

フリーローンとは、目的ローンと違い、何のために使うのかという内容に縛られないローンです。基本的には利用の目的が自由(フリー)であることから、フリーローンといわれています。金融機関によっては、多目的ローンといわれることもある金融商品です。

目的に縛られないので、冠婚葬祭費や旅行費、引っ越し費用、大型家電購入代などさまざまなことに利用することができます。いろんな目的に活用できるローンといえば、カードローンもよく知られていますよね。カードローンも基本的にはフリーローンと同じような用途のローンですが、違いは借り入れの回数にあります。

カードローンは利用上限金額までなら何度でも借りられるのに対して、フリーローンは1契約で1回の借り入れのみ。契約中のときに新たにフリーローンでお金を借りたいと思ったら、一度借りている額を返済して、新たに契約する必要があります。

カードローンほど返済や借り入れの自由度は高くないですが、その分カードローンより金利がお得というメリットがあります。

■フリーローン借り入れの比較ポイント

フリーローンは先にもふれたように、目的が限定されないローンなので、どの金融機関でも内容は同じです。違う点があるとすれば、金利と繰り上げ返済手数料です。この2つは各社のフリーローン比較のポイントにもなる部分です。

まず金利は、フリーローンの利用において特に重要な部分。金融機関によって異なるので、できるだけ金利がお得なものを選んだ方が良いです。フリーローンを選ぶ場合は、できるだけ10%未満のものに絞りましょう。

次に繰り上げ返済手数料ですが、早めに返済を済ませたいなら合わせてチェックしておきたい部分です。だいたい1回あたりの手数料の目安は5,000円。それなりに手数料として引かれるので、早期完済を目指すなら、手数料が相場よりも安いところにするか、1回あたりの返済額を増やして少ない回数で返済した方が良いです。

フリーローンの金利について

目的が定められていないフリーローンは、金利が比較のポイントになると紹介しました。金利は、銀行など借入先によって変わってきますが、フリーローンの金利を左右するのは借入先ばかりではありません。借入先以外にも、ちょっとしたことでフリーローンの金利は変わってきます。その考え方と審査の関係についてお話しします。

■フリーローンの金利は借入金額で決まる

フリーローンの金利は12.0%のように一律のこともありますが、3.5~9.5%のように幅のある金利表記にしているところもあります。これはどういうことかということ、金利3.5%が適用されることもあれば、金利9.5%、あるいは6.0%など表記の範囲内で金利が適用されるという意味。

フリーローンの金利は、利用者の属性や年収などで決まるのではと思われがちですが、実は個人の評価に関係なく借入金額で決まることが多いです。利息制限法によって金利には上限が決められていますが、10万円以上100万円未満なら金利上限18.0%、100万円以上なら金利上限15.0%と、借入額が上がるにつれて法定の金利は下がっています。これに合わせて、フリーローンの金利も借入金額に合わせて下がることが多いのです。

良心的な金融機関なら、100万円以上200万円未満で金利5.6~8.0%などのように適用される金利を借入金額ごとに明記していることもあります。100万円以上の借り入れであれば、上限よりも低い金利が適用される可能性がありますが、100万円未満の借入金額については、基本的に金利の上限で考えた方が実際の適用金利に近いです。

■固定金利と変動金利の違いは?

フリーローンも住宅ローンやマイカーローンと同じように、固定金利と変動金利のいずれかが適用されています。固定金利は、契約から完済まで金利が変わらない金利方式のこと、変動金利は完済までの期間中金利が見直され変更する可能性のある金利です。

固定金利は将来の金利上昇のリスクも合わせて計算に含まれるため少し金利が高い傾向にあります。低金利の現代においては、金利情勢に左右されやすい変動金利の方がお得です。借入額をどうするかにもよりますが、長くても2~3年など短期間で返済するつもりなら、金利がお得で短期借り入れによって金利変動のリスクを抑えられる変動金利がおすすめです。

反対に、5年など長期の返済になる予定で、毎月の支払額を一定に、計画的にフリーローンを返済していきたいなら固定金利が向いています。

■金利が低いフリーローンほど審査は厳しい

比較してみると、5.0~14.0%、3.8~9.8%など、同じフリーローンでも金利に大きな振り幅があることがわかります。商品によってはカードローンに近い金利に設定されていることも少なくありません。なぜ、同じフリーローンでも金利に違いがあるのでしょうか。

実は、このフリーローンの金利は、ある意味で契約する人の信用度を示しています。金融機関は、信頼できない人にお得な金利で貸し出したりしません。債権が回収できなくなるリスクが少しでもある以上、金融機関は金利を高くして、もしものときのリスクを補おうとします。

金利が低いフリーローンほど審査が厳しいといわれるのはそのためです。お得な金利設定の金融機関は、それだけ貸し付けの際に信頼に足る人物か、貸し付ける人を絞っています。

反対に金利が高めに設定してあるフリーローンは、返済負担が大きくなるリスクがありますが、金利が低いフリーローンに比べて審査はそこまで厳しくない傾向にあります。

まとめ

フリーローンは、カードローンと同じように目的が決められていないローンのこと。事業資金以外であれば、基本的にどのような目的でも利用できます。そんなフリーローンを比較する際のポイントが金利。目的などが明確でない分、フリーローンの金利の重要性は高いです。

なお、フリーローンの金利は借入先でも変わってきますが、借入金額、返済の方式によっても変わってきます。借入金額は大きいほど、適用される金利は低くなります。なお、もともと金利が低いフリーローンは審査が厳しいことがあるので、審査と金利のバランスも考えて選ぶようにしましょう。