購入する車種、新車か中古車かなどにもよりますが、自動車の購入が人生の中でも大きな買い物であることは違いないでしょう。どんと構えて一括で購入できればいいのですが、実際はカーローンを利用する方も多いですよね。

あなたはローンを契約するとき、「どうせどれも似たようなものだから…」と勧められるがまま決めてしまってはいないでしょうか?実は契約するローンや金利の計算によっては、損をしてしまうこともあるんです。賢くカーローンを利用するためのポイントを2つ紹介していきます。

カーローンの金利相場はどれくらい?

まず押さえておきたいのが、カーローンをどこで契約するかです。一般的に、カーローンはディーラー系と銀行系に分けることができます。車の販売店で契約するのがディーラー系、銀行の窓口で契約するのが銀行系というイメージです。

このディーラー系と銀行系の大きな違いは金利にあります。カーローンで借りたお金にかかってくる利子の違いです。ディーラー系と銀行系、それぞれのカーローンの金利相場を見ていきましょう。

ディーラー系カーローンの金利相場

ディーラー系のカーローンの金利は、年5~7%が相場です。年5~7%が実際の支払いにどのくらい影響を与えるのかシミュレーションしてみましょう。

(例)200万円を3年(36回払い)、金利6%で返済した場合

表は200万円の車を購入して3年間元利均等方式(毎月の支払額が一定)で支払った場合です。利息の190,361円を合わせると、支払総額は219万361円です。

ただし、紹介した金利5~7%程度というのは新車で契約した場合の話。中古車のディーラー系カードローンは、さらに金利が上がります。販売価格の低い中古車を金利による利益で補うためです。そのため、中古車購入であると金利が8%や10%近いことも珍しくありません。

銀行系カーローンの金利相場

一方の銀行系カーローンの金利相場は、年2~5%程度。銀行によっては、1%代の金利を設定しているところもあります。ディーラー系カーローンと比較すると金利はお得です。

それでは実際にどのくらいの差が生まれるのでしょう。同じく元利金利方式で36回払いを選択した場合で比較してみましょう。

(例)200万円を3年(36回払い)、金利3%で返済した場合

金利3%の場合、利息の合計は98,832円になりました。このように、同じ条件で契約を結んだ場合、ディーラー系と銀行系では銀行系の方がお得であることがわかります。さらに、ディーラー系のように新車や中古車で金利が変動しないのも銀行系の特徴です。

変動金利と固定金利の違いは?

ここまで、ディーラー系カーローンと銀行系カーローンの金利について紹介してきました。金利においては銀行系の方が得のようでしたが、どんな人も銀行系を選んでおけば間違いないのでしょうか。実は、金利のお得さだけで判断すると失敗の原因になることがあります。金利には、固定金利と変動金利の2つがあるためです。

たとえば、「金利1.5%でお得」なのは変動金利だからかもしれません。固定金利であれば借入期間中ずっと同じ金利が適用されますが、変動金利は文字通り金利が変わってくるため、期間中2%、3%と上昇することも考えられます。「1.5%だからお得」とは言いきれないのです。それでは、固定金利と変動金利はどのような場面で使い分けるべきなのでしょうか。

借入期間が長い場合は固定金利

固定金利は、長期的な視野で設定されるため、変動金利よりも金利が高めに設定されています。今後、経済が好転(または悪化)して金利の相場が変わる可能性があるためです。

そんな固定金利を選んだ方が良いケースは、借入期間が長くなる場合。通常、借入期間に比例して将来の金利相場の予想は難しくなるので、金利変動のリスクが高まっていきます。それならば、ずっと金利が変わらない固定金利にした方が、将来的に金利が大きく変動するリスクを回避できるというわけです。

10年近く借り入れする場合はもちろん、金利の変動は半年か1年ごとに見直されるので、数年以内に返せないようであれば固定金利を選択した方がよいことがあります。

柔軟な返済計画には変動金利

それでは、変動金利はどのような場合に使えるのでしょう。まず、変動金利の魅力は、固定金利よりも低い金利設定です。今後変動する可能性があるものの、固定金利よりもお得にカーローンを利用することができます。

基本的に1年以内に金利が見直されることが多いので、1年など短期の借り入れであれば変動金利を利用した方がお得でしょう。5年以内の短期の借り入れであれば、これまでの金利動向を確認して、大きな変動がなく直近で景気好転の兆しがなければ、変動金利を選ぶのも賢い方法の1つです。

また、カーローンの場合は200~300万円など住宅ローンと比べると借入額は少額であるケースが多いです。多少変動してもそこまで影響が出ないことを見越して、変動金利を選択した方がよい場合もあります。

まとめ

ディーラー系、銀行系など、カーローンの選択肢は豊富にあるため、つい金利の低さに目がいってしまいがちです。確かに金利の低さは1つの判断基準になりますが、変動金利か固定金利かによっても将来的な支払額は変わってきます。

金利の低さだけにとらわれず、返済期間をどのくらいにするか、借入額はどのくらいかも含めてカーローンを利用したいですね。カーローン選びに失敗しないためにも、直近の金利の状況がどうなっているかも合わせて確認しておきましょう。