少子高齢化社会として時代が深刻化していく中、将来について不安を抱える方は少なくありません。自分の老後の生活や家族のことを考えると、実際にもらえる年金支給額はいくらなのか知りたいと感じる方は多くいるのではないでしょうか。そこで今回は、国民年金支給額とその計算方法、支給されるタイミングについて詳しくご紹介します。万が一のときや老後の備えを早めに行い、将来の不安を少しでも取り除くためにも、ぜひ参考にしてみてください。

国民年金とは

国民年金とは、日本国内に住むすべての20歳以上60歳未満の方が加入する保険制度です。自営業者や農業、漁業を行っている方は第1号被保険者といい、この保険料を自ら支払う必要があります。25年以上保険料を納めることにより65歳から年金として受け取ることができ、その受給額は支払い続けた年数などによって異なります。

会社に勤めている方や厚生年金または共済組合に加入している方は第2号被保険者と呼ばれ、保険料を自分で支払う必要はありません。また、第3号被保険者といわれる第2号被保険者が扶養している配偶者についても保険料を本人が支払う必要はありませんが、第1号被保険者の配偶者である場合は自ら納めなくてはならないでしょう。

厚生年金との違い

厚生年金は、国民年金保険に上乗せされて支給される保険です。会社に勤めている方や従業員が5人いる個人事業主の方が加入の対象となっており、保険料の支払いをする必要があります。これを支払うことで、年金の受け取り時には基礎年金である国民年金に加算されて支給され、支払った年数や金額によっても受取額が異なるでしょう。

また、国民年金の保険料は一定額ですが、厚生年金の場合は毎年4月から6月に所得する給与額やボーナスに合わせて算出されるので、それぞれ支払い金額が異なります。算出された金額は雇用主が半分、雇用者が半分負担し、本人に代わって会社が行政に納めるのです。この点も国民年金と異なるといえます。

国民年金はいつ支給される?

国民年金は、原則65歳から支給されます。しかし、例えば早期退職で60歳に仕事を退職した場合は65歳までに5年の期間があるので、年金を早くもらうための繰り上げ受給ができ、反対に65歳よりも遅い受給を希望する場合は繰り下げ受給が可能です。

老齢基礎年金

老齢基礎年金は、20歳から60歳までの40年間にすべての保険料を納めた方に65歳から支給されます。65歳よりも早めに年金支給を希望される方は手続きをすることで、60歳から65歳の間に繰り上げて受け取ることが可能です。しかし、年金額は受給開始年齢にともない減額され、その金額が変わることはありません。65歳よりも遅く年金の受け取りを希望する場合も、手続きを行うことで66歳以降に繰り下げることができます。繰り下げ受給の場合は、受給開始年齢にともない年金額が増額になり、かつ金額も変わることなく受け取れます。

障害基礎年金

国民年金の加入時期に病気や怪我を患い、障害として認定された場合は手続きを行うことで認定日の翌月から障害基礎年金を受け取ることができます。支給額は障害等級や年齢によって異なり、請求する際は期限が設けられているため、早めに手続きを行うことが必要です。

遺族基礎年金

被保険者や25年以上の老齢基礎年金の受給資格があった方が亡くなった場合、その子どもや子どもがいる配偶者が受け取れる年金です。子にあたるのは18歳到達年度の年齢である者と、20歳未満で障害基礎年金の障害等級1級または2級に該当する者とされています。

国民年金の支給額と計算方法

平成30年度の国民年金額は月額で一人あたり64,941円です。年金額の改定について、賃金水準の変動がマイナスで、かつ物価水準の変動がプラスになる場合は、年金を受け取り始めるときの年金額と受給中の年金額にスライドされないと法律で決められています。そのため平成30年度の年金額についても、賃金変動率がマイナスで物価変動率がプラスになることにより、受け取り開始の年金額と受給中の年金額どちらもスライドがされませんでした。

支給額の計算方法

国民年金の支給額は加入期間の長さによって決まるので、計算方法はとてもシンプルです。計算式は77万9300円×加入期間(月数)(保険料納付期間)/480となります。20歳から60歳までの40年間(480月)の間にすべての保険料を納めていた場合は、満額である約80万円を受け取ることができますが、その期間が短い場合は年金の受給額も少なくなってしまうでしょう。もし加入期間が30年間(360月)だったとして計算式に当てはめると、77万9300円×360 /480となるので、受給額は約60万円となります。

また、第1被保険者である自営業者や無職、学生については、保険料を納めてない期間は未納期間になり、その分の年金を受け取ることができません。その場合は加入期間から除く必要があります。

国民年金の支給額は減っていくのか

現代では少子高齢化社会が加速化し、超高齢化社会へと進んでいます。現在高齢者である方のみではなく、これから高齢者になる方々を含めて社会保障制度を適用し支えていく必要があるので、現在または将来支給される国民年金が減ってしまう可能性も十分にあり得るでしょう。また、引き続き社会保障制度を維持するためには、年金支給年齢を引き上げにするなど、さらなる対策が実施されることも考えられます。年金制度改革関連法(年金カット法案)もそのひとつです。

年金制度改革関連法(年金カット法案)とは

賃金が減少すると現役世代の生活は苦しくなりますが、その状態で年金を払い続けることでさらに生活が悪化することが予想されます。一方で高齢者の方の年金支給額が変わらないとなると、現役世代にだけ影響が及んでしまうことになります。そこで、平成30年4月から賃金や物価の上昇が起きた場合は、その範囲内で前年度までの未調整分を調整し、必要な際に年金支給額を変更することになりました。

さらに平成33年4月には、賃金の変動が物価の変動を下回った場合、それにともなって年金支給額の調整が開始されるようになります。年金改革関連法はこのように二段階を経て実施されるので、実際に直接影響があるのは二回目の平成33年4月からといえるでしょう。

まとめ

超高齢化社会へと変化をたどる中で、将来や老後の備えは早めに行うことが大切になります。その準備の一歩として国民年金制度についてよく確認し、将来受給される金額を予測しておくことも重要でしょう。また、年金制度改革関連法のように年金についての制度が改定となる場合もあるので、今後も情報について定期的に確かめるようにするとよいでしょう。